なぜ人は人工知能化するのか  「陶酔する人工知能たち」その1

なぜ人は「フレーム問題」に陥らないのか 人が世界と関わる二つの方法、認知と行為とはどのようなものだろうか。そのわかりやすい例が人工知能の「フレーム問題」だろう。人工知能にチェスのような「閉じた」ゲームを遂行させれば、計算によって最適解を求め…

脱構築を脱構築する(全体) ラカン的、デリダ的主体論

*所々、未完成です。しばらく完成を目指すほどの時間がないので、とりあえずおきました。ご興味のある方はどうぞ。 1 収束(主体)−拡散(動物) 2 否定神学/脱構築 3 マクドナルド化と動物化 4 収束−発散構造論 5 終わりなき連鎖としての否定神学−脱…

なぜ村上春樹はオタクよりもタフなのか 動物化とスノビズムと村上春樹風(全体) 

1 動物化とスノビズムと村上春樹風 2 村上春樹風超人とオタクの自己組織化 3 なぜ動物は死なないのか 4 村上春樹はなぜオーム真理教事件に惹かれたのか

なぜショコタン(中川翔子)はエロいのか

ショコタンは女らしくない ショコタン(中川翔子)についての話が滅茶苦茶面白かった。岡田氏曰く「女らしさの削ぎ落とし方が凄い」。確かにオタク的なことに理解があり、熱心(というかガチ)なオタクで、吸収力も半端ではないが、一見して理想的なオタクの…

なぜ亀田家バッシングは薄気味悪いのか 炎上化する社会

新たな「世論」の力への気づき 亀田バッシングを見ていて感じる薄気味悪さはなんだろう。処罰をこえて、人格攻撃にいたる人々のヒステリックさ。その人格はいままで魅力であったところそのものである。最近、バッシングが途絶えることがない。安部首相と大臣…

なぜ若者は車を買わないのか

若者の所有欲は減退しているのか 20代の若者の所有欲そのものが減退しているという不思議な現象 日本経済新聞社が首都圏に住む20代、30代の若者(20代1207人、30代530人)を対象に実施したアンケート調査の結果、車を買わず、酒もあまり飲まない一方、休日は…

なぜネットはリバタリアン化するのか 池田信夫「ウェブは資本主義を越えていく」

なぜウェブは資本主義を越えていくのか 池田信夫「ウェブは資本主義を越えていく」(ISBN:4822245969)を読んだ。本書では、この野心的な題名の意味はなにかを経済学的に説明している。 資本主義社会の前提は、資本が稀少で労働は過剰だということだ。工場を…

「動物化」とはなんだったのか? 「動物化」をめぐって その1

コジェーブ的動物化とデリダ的動物化 動物化を二つに分けて考えましょう。 コジェーブ的動物化コジェーブはハイデガーの現存在を繋ぎつつ、ヘーゲルの人間/動物の形而上学的二項対立から人間を考えます。そしてコジェーブは消費文化に埋没するアメリカ人を…

なぜ「社会のアーキテクチャー化」が進むのか

「社会のアーキテクチャー化」とは 「社会のアーキテクチャ化」とはなにかといえば、たとえばかつては犯罪をしてつかまると、犯罪ドラマにあるように警察につかまった時点で「物語」は終わり、犯人は観念し反省します。ここでは犯人自身にも自分が間違ったこ…

なぜネットコミュニケーションは難しいのか 知ってほしいネットリテラシー

言いたいことが伝わらない 最近ほんとにネットコミュニケーションの難しさを実感することが多い。とにかく言いたいことが伝わらないし、極端には逆の意味で伝わってしまう。これはもちろんボクの言語能力(国語力の低さは自覚しています)であり、人間関係の…

ランキングという化け物を乗りこなすことができるのだろうか

小さな本屋の密やかなコミュニケーション ボクは本屋が大好きで本屋を見るとつい入りたくなるし、精神的にまいったときなど、大きな本屋にいってブラブラしてると落ちついたりする。小さな本屋は売れ筋のものが店頭の前面を占めていて、どこでも同じように感…

なぜ笑いは武器なのか

「笑い」とは「敵意のないこと」 腹の皮を捩(よじ)る、腹を抱える、笑い崩れる、噴き出す、大笑い、馬鹿(ばか)笑い、高笑い、愛想笑い、作り笑い、せせら笑い、薄ら笑い、鼻で笑う、苦笑い、忍び笑い、含み笑い、不適な笑み、氷の微笑、謎の微笑み、母のよう…

なぜ「ひとり団地の一室で」孤独死するのか

「ひとり団地の一室で」 NHKスペシャル 「ひとり団地の一室で」 千葉県松戸市にある常盤平団地。3年前、その一室で死後3か月経った男性の遺体が見つかった。男性は当時50歳。病気で職を失ったあと家族と別居し、一人で暮らしていた。いま、全国各地の団…

なぜ岩崎恭子は「今まで生きてきたなかで一番幸せです」と言ったのか。

「今まで生きてきたなかで一番幸せです」 十四才の岩崎恭子がバルセロナオリンピックの平泳ぎで金メダルを獲得したとき、「今まで生きてきたなかで一番幸せです」と発言したことは有名である。この発言の滑稽さはオリンピックで金メダルとることは確かに人生…

痕跡とプログラムと欲望

「フーコーの権力論とグレイゾーン化」 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20060920のコメント欄からの転用です。参照として、id:voleurknknさんのブログの以下の記事とコメント欄に連動しています。 「痕跡とプログラム」 http://d.hatena.ne.jp/voleurknkn/20…

「なぜ若手が会社を辞めるのか?」

「成果主義と年功序列の“ねじれ”」 「なぜ若手が会社を辞めるのか?」が語られています。そしてその理由として、「成果主義と年功序列の“ねじれ”」が上げられています。 近年、日本では年功序列制度が崩壊したと言われていますが、厳密に言うとそれは必ずし…

なぜ「かわいい」が氾濫するのか

「東京カワイイウォーズ」 大人気のカリスマモデル“エビちゃん”。販売絶好調のファッションビル“渋谷109”。2万人近い女の子が熱狂するファッションショー“東京ガールズコレクション”…。いまファッション界で人気を集めるものに共通するのは女の子たちの「か…

なぜ平等であることは「自然」なことではないのか 環境×公平×正義 その1

謙遜の意味 人は他者へ転移する。他者が私であり、私が他者を指向する。このような力学において、人はそこにある差異を平準化しようとする力が働く。たとえば自分だけが幸せになるとあまりそれを全面に出すことははばかれる。この転移関係において、他者より…

なぜ贈与は暴力なのか

想像的な贈与 現代は貨幣による等価交換の世界であるといわれる。しかしそれでも贈与の世界でもある。一般的に贈与は親しい人の間で行われる。家族、友達、恋人ではお金のやり取りでなく、貸し借りでもなく、見返りのない贈与が行われている。最近ではネット…

なぜ純粋略奪は快楽なのか

落とし物は「純粋贈与」ではない (1)純粋贈与は、贈与の循環がおこなわれる円環を飛び出してしまったところにあらわれる。それは、贈り物が贈られその返礼の品が返されるという、モノの循環システムを破壊してしまう。(2)贈与では物質性を持ったものを受け…

なぜ「空気を乗りこなせ!(コンテクストサーフィン)」なのか

アウラ論とエクリチュール論 かつて芸術作品にはアウラ(神性)が宿ると信じられていた。芸術作品は神のための書かれ、現代のように美術館で人々に公開されることも、ましてやコピーされて流通することもなく、「隠され」、その唯一性としてのアウラが保たれ…

「オタク」はなぜもっとも健全な人々なのか 場の拘束と解放 その3

場への固執と場からの離脱という「閉塞」 日本はハイコンテクスト社会と言われてきた。しかし現代のような価値が多様で、流動的な社会では、コンテクスト(文脈)の共有が困難になってきている。ハイコンテクストがくずれてきている。一つは崩れているから固…

記事]なぜ若者は「下流」でなく「のま猫」に怒るのか 場の拘束と解放 その2

「空気を読む」ことの過剰とは薄氷化する場への恐怖 「空気を読む」というときの「空気」のメタファーが示すものは、「見えないがある」、ということであり、見えないものとは言葉である。「言葉として発せられなくてもそこにある言葉」である。たとえば「い…

なぜ若者は怒らずにキレるのか?  「場」の拘束と解放 その1

薄氷の共犯関係 「若者よ怒れ」 平野さんは学生運動の元闘士。出版社時代に労働争議で指名解雇された後の76年、新宿ロフトを開店した。「わかってたまるか」社会への怒りをぶつける若者の姿勢と音楽にほれ込んだ。82年、店を仲間に託し、海外放浪の旅に…

なぜお笑いブームは「狂気」化するのか

世界は「狂気」である。 たとえば電車の中でサラリーマンがすこし大きな声で仕事の話をしています。そんなことはよくあることで特に気になりません。しかしよく見ると、そのサラリーマンには話し相手がいなかった。独り言を会話しているようにしゃべり続けて…

「どうして人を殺してはいけないのですか?」

「死」の心身二元性 「死」とは、概念です。この概念は「人間」のみに可能です。動物は「殺す」ことはありません。「死」の概念がないので、「他者を潰そう」ということはあっても、そこに「死」への目的性はありません。(「人間」の)「死」という概念は、…

ラカンとデリダとボクと その2

固有名論 ラカンとデリダの近似的な関係を見るために、「存在論的、郵便的」(ISBN:4104262013)で重要な、固有名の議論を見てみよう。 「エクリチュール」とはコミュニケーションの脆弱さ、つまり誤配可能性一般を意味している。他方、「多義性」と「散種」…

ラカンとデリダとボクと その1

「クッションの綴じ目」=偶有性から単独性への転倒、まなざしの快楽 ボクは「偶有性から単独性への転倒に神性は宿る」といった。たとえば、ある女性を好きになる。そして彼女は僕の女神になる。このときになぜその女性が好きになったのかの理由はたまたま(…

ジャングル化する社会を生き抜く3つの方法 その2

⑦ジャングル化する社会を生き抜く3つの方法ジャングル化する社会を生き抜く方法とは、簡単に言えばいかに「生き生き」しつづけるかということです。 かつてのサバイバルが豊かさによる「生死」であったのに対して、現代においては「生き生き」できないもの…

ジャングル化する社会を生き抜く3つの方法 その1

①ジャングル化する社会人間社会とはジャングルから秩序を建設することであった。そのような社会的秩序は階級構造によってなりたっていた。うまれながらに居場所、行為が規定されている。民主化とはそもそもが社会構造解体の流れをもつ。平等であることは競争…