なぜ辻ちゃんデキ婚は叩かれるのか
辻ちゃんデキ婚会見でリポーターから「避妊は？」
「避妊はしなかったんですか？」。ベテランの芸能リポーターから、こんな直球質問が飛び出したのは、１０日都内のホテルで開かれた元「モーニング娘。」の辻希美（１９）と俳優、杉浦太陽（２６）の結婚会見。・・・会見では終始、杉浦がリードして辻を気遣った。「避妊は？」の問いにも、杉浦が、「恋愛の結果生まれた生命だったので、大切にしていきたかった」とキッパリ。「先に結婚を決めていたので」と５回も繰り返した。
とはいえ、辻は舞台を降板したり、結成したばかりの３人組ユニット「ギャルル」を脱退したりと、ファンや関係者に与えた影響は少なくない。これには、「本当にご迷惑をおかけしました。僕も男なので一生彼女を守っていくので、見守ってもらえるとうれしいです」と頭を下げた。辻も、謝罪を繰り返す一方で、「母性本能が出てきました。授かった命が大切だと思ったので、申し訳ないけれど、今は仕事は休業して、頑張って赤ちゃんを産んで、もし仕事ができるようになれば、一からやり直したい気持ちもあります」と、あっけらかん。すっかりママの心境か。
先のリポーターが、「赤ちゃん産むってことわかる？ （デビュー当時の）子どものイメージなんだよ」と戸惑い気味に、追い打ちをかけると場内から笑いも。辻は、芸能活動を始めた当時を振り返り、「１２歳のビデオを見て、発言なんかを聞いていると、今は成長したかなって思います」と答え、「そりゃ、子ども産むってのは、すごい成長だよ」とリポーターに突っ込まれると、「足りないところは頑張って本を読んだり、病院の先生に話を聞いたりしていきたい」と珍問答が続いた。
辻ちゃんができちゃった結婚らしい。驚きと違和感からか、なにかバッシングムードである。「避妊はしなかったんですか？」とはまた失礼な質問である。いまどき19歳ででき婚などめずらしくないし、ましてやかなり稼いでいる経済的に自立した社会人である。仕事の予定がくるい回りに迷惑をかけることはあるが、妊娠なんてそんなものではないだろうか。
違和感は彼女が子供キャラで売っていたからだろうか。たしかに辻ちゃんが子供を生むというのは不思議な感じはするが、本人も楽しそうだし、今後も子持ちの子供キャラというのはおもしろい気がする。
逆に、バッシングに走る、特に芸能ネタ系のマスメディアには悪意を感じる。その姿はなにか懸命に旧来の倫理を保とうとしているようだ。たとえば芸能人、アイドルとは、特に一般人とは違う高い倫理観が要求され、そしてそのギャップが彼らのメシのたねであった。アイドルが男の部屋からでてきた、という一般人では当たり前のことが、ネタになり、それを語ることで芸能マスメディアの存在意義が保たれてきた。
しかしネットにはゴシップネタにあふれ、芸能人だからという倫理的幻想も薄れるなかで、もはや芸能レポーターのようなわけしりで、説教臭い解説はうさんくさいものになっている。なにか最近のワイドショーでもゴシップは相変わらず語られるが、芸能レポーターは廃れつつあるように思う。そして辻ちゃんのでき婚、さらにでき婚に対するあっけらかんさは、その傾向を加速させ、芸能マスメディアたちをイライラさせるのかもしれない。
