なぜニコニコ動画はオタク臭いのか

pikarrr2007-12-13

ニコニコ動画のオタク臭


ニコニコ動画YouTubeの動画ランキングを比べて、ニコニコのオタク臭はなんなんだろうか。

ニコニコ動画ランキング http://www.nicovideo.jp/ranking/mylist/daily/all
YouTubeランキング http://jp.youtube.com/browse?s=mp



動画コンテンツの難しさ


ボクはセカンドライフは失敗するといった。みな円滑で猥雑なコミュニケーションをのぞんでいるのになぜいちいちアバターにならなければならないのか。唯一の可能性は新たな貨幣交換市場としの楽しさだったが、語られた長者神話も噂の域をでなかったようだ。

そして動画サイトも失敗すると考えていた。確かにYouTubeは爆発的にヒットしたがそれでもしょせん著作権を侵害し、マスメディアに依存するかぎり、かつてのナップスターのように、規制により叩かれ縮小するしかないだろうと。

さらに動画のコンテンツづくりは、テキストや画像にくらべてハードルが高い。テキストや画像のようにしろうとが簡単にあつかうのが難しいメディアである。動画の難しさは、また情報量の多さから検索、管理がむずかしく、ネットの基本である共有し盛り上がることに限界がある。YouTubeの盛り上がりを支えたのは、マスメディアの動画資料の切り取りである。貴重な動画、テレビのおもしろ場面の一瞬の切り取りなど、そこに創造性を加えるとすれば画像とテクストをつなげてるようなネタするものだった。




ニコニコ動画におけるオタクという共通言語


ニコニコ動画ひろゆき繋がりで2ちゃんねるをバックボーンにして発展したのは、たしかだろう。そして技術的にもコメントで盛り上がるというのは、2ちゃんねる的な実況的なノリ(結局、2ちゃんねるって実況的ノリを楽しむものだから)を取り込むことで成功した。

しかしいまのニコニコ動画の展開はひろゆきも予想しなかったものだろう。ニコニコ動画でおこった潮流はもっとオリジナリティーある動画の制作だ。これは、誘導したのはコメントが動画の評価として機能したことだろう。簡単な編集動画でも実況で、よい、悪いという評価される。それが動画作り職人たちの意欲をもり立てた。それがYouTbeとは異なり、ひろゆきも予想しなかったパワーがニコニコ動画で爆発した。

そしてさらに重要なことは、そこに一つの共通言語が作られているということだ。それはオタク性である。そのきっかけは、VOCALOID2初音ミクASIN:B000VCZ75A)の登場だったのだろうが、そもそもオタクがもつクリエイティブさが展開される。これは、オタクがニコニコに集まるのではなく、ニコニコの共通語がオタクということができるだろう。もはやニコニコ動画YouTubeとはまったく異なる、世界的にも初の創造的な動画文化が開花する場ととなっているのではないだろうか。




創造性の連鎖という健全さ


2ちゃんやブログは基本的に批評メディアである。YouTubeも主に日本ではマスメディアを切り取り、ブログや2ちゃんねるへリンクするなど、批判メディアのアイテムとして発展した面が大きかった。ケータイ小説のブームやニコニコ動画のオタク的創作など、創造的メディアの面が開花しつつあるよう思う。やはりメディアは「炎上」のように批判の爆発よりも、クリエイティブな発想の連鎖というような、より自由な表現形態を生み出す方が健全ではないだろうか。
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