なぜ日本人はダメさを強調するのか 日本人のガラパゴス法則

pikarrr2012-02-23

なぜ日本人はダメさを強調するのか

「貯蓄ない」世帯が1963年以来、過去最高の28・6%"2011年「家計の金融行動に関する世論調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120222-00000990-yom-bus_all


金融広報中央委員会が22日発表した2011年の「家計の金融行動に関する世論調査によると、2人以上の世帯で「貯蓄がない」と答えた世帯の割合が28・6%に上り、調査を始めた1963年以来、過去最高となった。貯蓄の平均値は1150万円で、前年より19万円減った。
人々の実感に近い中央値(答えた世帯の中間の値)は前年より80万円少ない420万円だった。貯蓄残高が1年前に比べて「減った」世帯は40・5%で、「増えた」世帯(21・3%)の2倍近くになった。減った理由(複数回答)は「収入が減ったので取り崩した」が43・3%で最も多く、景気減速が家計に大きな影響を与えている。調査は11年10〜11月に全国8000世帯を対象に訪問と郵送で行い、回収率は47・5%だった。

28.6%はどういう数字なのだろうか。日本人の統計値を評価する方法として、2種類の比較方法があるだろう。一つは通時事的。日本人の過去のデータとの比較。もう一つは共時的。世界との比較である。この二種類の使い方が日本人は不思議だ。というか、一つの簡単な法則がある。日本人がダメな方を強調する。過去に比べてよい、かわらなければ、世界と比較してダメといい。世界と比べてよい、かわらなければ、過去と比べてダメという。この28.6%も世界と比べれば、いかに日本人がすばらしいか言うことはできるだろう。




明治以来の根深い西洋信仰


一つはマスコミそのものの特性がある。マスコミの目的はみんなの注目を集めることである。注目は良いことより悪いことに集まりやすい。だからマスコミには悪いことを強調する習性がある。しかしこれでは日本人だからということはない。

日本人に特徴的なのが、明治以来の根深い西洋信仰がある。日本はダメだ、世界(西洋)はすごいというのが、日本人の基本スタンスである。西洋に追い付け追い越せで近代を生き抜いてきた日本人に深く染み付いている。西洋人が日本的なものをほめることに疑心暗鬼で、不快感さえ感じる。かといって、日本人が日本を好きでないということではない。いわば自信がない。




新たな権力は新たな海外文化をかかげて台頭する


さらにいえば海外を重視する姿勢は大和朝廷以来の伝統とも言える。日本人は中華文化圏を生き、たえず新たな文化を中国から吸収してきた。この傾向はアヘン戦争で中国(清)が子供のように西洋に破れたときまで続いた。

日本人は大国の動向に敏感に反応することで生きてきた。この敏感さは単に大国に征服される心配だけではなく、日本国内の権力闘争において、新たな権力は新たな海外文化をかかげて台頭するからだ。この運動は主に世代論をとることが多い。ある海外文化にカブレた世代に対して、新たな海外文化にカブレた世代が、時代は変わったと主張する。この運動では古い世代はいつも「日本人的である」と批判される。

最近なら有名なガラケースマホのカラパゴス論争にこの典型的なパターンが見られる。様々に変化してきたにもかかわらず、この伝統的な日本人のガラパゴスな新陳代謝運動のかわらなさには驚いてしまう。
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