なぜWeb2.0の本質はいかに抑圧するかなのか

pikarrr2006-07-26

CGM(ConsumerGeneratedMedia)とは

ネット時代の新潮流――CGMとは
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0607/18/news024.html

今、Web2.0のキーワードが注目を浴びています。その中に内包される概念としてCGM(ConsumerGeneratedMediaの略)が存在します。簡単に訳すと消費者が生成したメディアとでも言うべきものなのですが、一般的には消費者が作成、または見つけ出した情報を投稿(Web上にアップ)し、発信されていくコンテンツの総称がCGMと呼ばれていることが多いと思います。

Web2.0の話とCGMの話を混同して語られている例が、よく見受けられます。しかし、Web2.0が提唱するブログやSNSなど「プラットフォームとしてのWeb」(以後CGMのプラットフォームと呼びます)と、その中で増殖するCGMへのアプローチは、まったく異なる次元の話です。

ConsumerGenerated(消費者から生成)されているものは「Media」だけではなく、多くの人々による知恵(衆知)です。Web2.0的なプラットフォームによって、多くの人々による知恵(衆知)が集積されることで、1つの大きな力となり、ネット上に現れています。

Web2.0の世界で本当に重要なことは、システムやWeb2.0的なプラットフォームではなく、そこに集まる人とそれらの知をどの方向に集積させるかであると考えるからです。

CGM(消費者が生成したメディア)という言葉を始めて知りましたが、ここで示されているCGMの例は、YouTube、ブログ、2ちゃんねるmixiなどでネットはなんでもCGMと言えそうです。




Web2.0=枠組み、CGM創発的力


ではなぜいまさらCGM(消費者が生成したメディア)なのか。なぜ「ネット時代の新潮流」なのかという感じがします。この言葉の作られた背景をボクは良く知りませんが、ボクが想像するに、CGMという言葉は、Web2.0と対比することに意味がありそうです。

最近Web2.0が注目されていますが、Web2.0を勘違いしている人たちがいるように感じます。Web2.0は、CGMという「知恵(衆知)が集積された力」を活用するための枠組みでしかないということです。すなわちWeb2.0=枠組み、CGM創発的力です。

そもそもネットの創発力は、ネットに蠢いているます。そのようなネットに溢れている創発的動力に方向性を与えて活性化する枠組みがWeb2.0です。

理想的にはCGMWeb2.0の相補的な関係が力を生むということですが、枠組みはいつもそうですが、力の活性と抑止の両面をもちます。Web2.0そのものに抑圧は内在しています。いかにうまく抑圧するかとも考えられます。なぜなら往々にしてネットの強力な創発力はWeb2.0という枠組みを越えていくからです。





Web2.0の本質はいかに抑圧するか


ご存じのようにmixiは紹介制ということで、参入の自由度を抑圧しています。あるいは最近のYouTubeの爆発をYouTubeサイドは想像できなかったでしょうし、あまりに急激な躍進は様々な枠組みの改良(抑圧)を求められでしょう。

またブログのコミュニケーションの中心であるトラックバック機能も考えてみれば、回りくどいコミュニケーション法です。掲示板でガシッと議論する方が早い。そのためのブログにはコメント機能がついていますが、はてななどブログのコメント機能は往々にして貧弱です。ボクもなんどかこのコメント機能では活発な議論しにくいと指摘されましたが、運営サイドにするとコメント機能の自由度を増すことは転送量の増大を招くということがあるでしょうし、さらには荒らしの発生や、炎上などトラブルが増しすことを抑止しているではと考えています。

このような自由度の抑圧が悪いと言うことでなく、創発力を活性化ために、いかに抑圧するかが、Web2.0という枠組み設計の本質ではないかということです。だからこそWeb2.0が注目される中で、CGMが重要であるということでしょう。

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