笑った

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■社会変化の速度

社会にはさまざまな速さの段階がある。もっとも早いのは「芸術」である。「芸術」は感受性の高い人がいち早く時代の空気を感じ、そしてコストのかからない方法で表現される。このような表現が「商品」として出回るにはそれから時間がかかる。「芸術」が形にしたものは早すぎてすぐには人々に受け入れられない。商品はあくまでも「流行」という社会の一歩だけ先にいる必要がある。そこに達するためには多くの人の手間と、コストが動く必要がある。商品として出回るにしても、普及には世代による差はあるだろう。やはり新しいものは若い人から受け入れられていく。それが広い世代に浸透するにはさらに時間がかかる。そしてある程度の世代に浸透したときに「社会通念」となる。そのつぎに変化するのが「法」である。「法」として明文化されるには「社会通念」として受け入れられ、政治の場で議論されなければならない。そして最後にかわるのが「制度」である。法が現実に社会の中で「制度」という環境として反映される迄にはまた長い時間がかかるだろう。