なにげに祝5周年! お金と正義とフェティシズム

pikarrr2009-02-25


なにげに祝5周年ということで近況・雑感を。

世の中、とんでもないことになっていますね。この決算期、金のまわりを心配してどこもかしこも右往左往でしょ。来年どこかで景気が立ち上がると思わなければやっといけません。長引けば倒産、失業はじわじわ増えていくでしょう。誰もが不安な日々を過ごしているのではないでしょうか。しがないリーマンであるボクもひとごとではありません。

地球温暖化すれば逆に自然が豊かになるということもいえます。現に恐竜などの巨大生物が生存し得たのは温暖な地球環境によるものです。だから問題は変化そのものよりも変化速度です。物理学的なメタファーで言えば、加速度運動に力は生まれるわけです。

万年単位で変化すれば生物も環境変化に適応していくのでしょうが、数十年単位で変化するとついていけません。今回の不景気の衝撃も、リーマン倒産後の急激な変化が衝撃となっています。特に企業というのは年ごとの収支を求められるわけで、そこで金がまわらなければ終わりですから。トヨタも一気に大幅赤字に転落しましたが、企業運営とは大企業といえども綱渡りであることにはかわりがないということでしょう。




アメリカテレビドラマ「デクスター シーズン1」(ASIN:B001MLZBXC)を鑑賞。なかなかのおもしろさです。

デクスターは警察の血痕鑑識官で日々犯罪者を追いかけているですが、裏の顔は正当には裁かれない犯罪者を殺している、というと必殺仕事人ということなのですが、大きく異なるのは彼は正義をもって人を殺すよりも先に殺人が好きであるということです。殺人フェチのヒーローです。

デクスターは、幼少にうけたトラウマから、幼い頃から生物を殺すことに快感を覚える。それを知った警察官の養父は、このようなフェチはいくら教育しても直らないことを知っていて、彼が生きていくために、犯罪者と殺すように「正しい」殺人術を教え込む。だからデクスターにはいつも、正義のための殺人と快楽のための殺人の間の葛藤がある。

基本はコミカルで軽い感じでありつつ、全体の構成も良くできていて、おもしろいのだけど、日本の民放でのテレビ放送が見送られたと言われるように、ショッキングな内容とグロいシーンが多くて、シーズンを通してみるとけっこう疲れました。

しかしこういうドラマがテレビドラマとして作られるアメリカってほんと病んでいるなと思います。昨年、アメリカで国民的大ヒットし、またアカデミー賞もとった映画ダークナイトASIN:B001AQYQ1M)でも感じましたが、仮にも子供が楽しむヒーロー映画で、あそこまで見事に狂気を描ききるのか。たぶんアメリカ人はあの映画をエンターテイメントとして体感的に楽しんでしまうのだろうとおもうと、ほんとすごい国だなと思います。

ダークナイトにしろ、「デクスター」にしろ、アメリカ人には「正義」に対する強迫観念のようなものがあるのかなと思ってしまいます。「正義とはなにか」ということを考えずにおれない、また突きつけずにはおれない。そこに起こる正義のインフレーションを押さえ込むためにグロから狂気から、バブルからなんでも総動員する。結局、オバマが当選したのも、「正義」フェチな国民性による?

アメリカの金融政策は軍事政策と同じレベルでのグローバル戦略であるといわれるときに、今回の金融問題と正義フェチはアメリカ人の特性としてつながっているのでしょう。