ウェブ税が世界を救う。

pikarrr2009-12-22

人々はウェブと実社会の二重の労働を強いられている


ウェブの根本的な欠点は、いくらウェブで労働しても収入が得られず、生活を支えられないということだろう。たしかにネットで成功した人々は多数いるが、それでもほんの一握りである。そして実社会のように成功せずとも労働が対価に結びつく賃金がない。

ウェブはフリー(ただ)の世界ではあるが、実は労働が必須だ。ウェブは基本的にセルフサービスの世界で単に傍観だけでは始まらない。特にウェブのエコノミーは「関心」を交換しあうことで回っているのだから、対価としての「関心」が集められるような時間をさいて労働することが求められる。たとえばTwitterならある程度のコメントをしなければフォローされずに参加できない。

グーグルはアフェリエイトなどで「関心」を貨幣価値にかえる画期的なシステムを開発したが、交換レートがあまりに低くて、儲けるにはあまりに効率が悪い。数時間バイトした方がずっと効率的だ。

いやならウェブを使うなというのは正しくない。現代においてもはやウェブは生き残るための必需品になってきている。ウェブで「関心」を集めてコミュニティに参加し情報をえることは、生き残るために強いられているのだ。だから人々はウェブの労働と別に生活を支える実社会の労働をするという二重生活を強いられている。




ウェブ上の共同体幻想


ニコニコ動画などをみているとあの創造労働のすばらしさに対価を与えないことはもったいない。彼らは対価なくどこまであの労働が続けられるのだろうか。仮にウェブの労働に「没入」しすぎれば、実社会の労働から取り残されて貧困生活を強いられるだろう。ウェブ上の労働への対価で生活できる人々を増やすように、ウェブにもっと課金システムを広めることはできないだろうか。

ウェブではみんな仲良く「贈与交換」しあい助け合いたいというような共同体幻想が語られているが、労働に対して対価がえられるならばありがたく受けとるだろう。みな課金が困難だから仕方なく無償で労働しているのだ。

あるいは実社会の労働は生活のため、ウェブの労働は楽しみのためという二元論も嘘だろう。実社会の労働も単に金儲けのために行われているわけではなく、そこには楽しみ、生き甲斐、助け合いの要素も多分に含まれている。




ウェブ上の課金を妨げるセキュリティ問題とハッカー思想


仮に自分のブログを課金制にするとどうなるか。まずアクセスがないだろう。一つの理由はウェブには同じような情報はあふれているために、情報に希少性がなく対価をえるだけの価値を持たないということだ。あるいはまた情報は簡単にコピーされて出回るために自ら金を払う必要はない。

それに対して、ケータイではウェブ上でうまく課金が引き出されている。情報の希少性が必ずしも課金のハードルではないということだろう。ケータイではケータイメーカーを通して支払いが行われるために、セキュリティ問題をクリアーされていること、さらにユーザーはセキュリティに関係する手間隙をえずに、クリッククするだけで購入できる、利点がある。

このような課金環境は、ケータイだけでなく、PCからでもプロバイダーによって整備されているが、余り活用されていない。では他に何が課金のハードルになっているのか。そこには同じウェブでもケータイからのアクセスと、PCからのアクセスでの文化・習慣の違いあるのではないだろうか。もともとのウェブにはハッカーからつづくフリー(ただ)、嫌貨幣の文化があり、それが習慣化されている。しかしこのようなハッカー文化の継承者達がウェブビジネスで成功し、いままさに巨大な報酬を独占している。




ウェブは公共財でありウェブ税を導入する。


カールポアランニーは、交換様式として、貨幣交換、贈与交換と、再配分に分類した。実社会が貨幣交換を基本にしているとすれば、ウェブでは贈与交換が基本と言われる。再配分とは税である。全体から徴収し公共事業や福祉などによって人々に再配分する交換様式である。

ウェブ上の貨幣交換が困難ならば、ウェブに再分配を導入する方法はあるだろう。たとえばグーグルは人々が無償の労働で積み上げた財をもとにして広告収入を得ている。ウェブ上の情報を公共財と考えれば、ウェブを活用して得た利益に課税する「ウェブ税」を導入することは可能だろう。そして得られた税は社会福祉ベーシックインカムによって人々に還元し、ウェブ上の無償労働者の生活を助ける。

あるいはウィキペディアが非営利で運用されているならグーグルも非営利、あるいは公共機関として運営することも可能だろうそして利益を世界的な公共財産として、環境問題などへ活用することも考えられる。

ウェブ至上主義者は自由競争を語る。これはいつの時代もかわらない競争になれば優位な立場に立てる潜在的なポテンシャル=資本を持つ者達の論理である。ウェブを非営利化すれば、情報産業へのイセンティブがわかない?現に豊かなウェブはみんなの無償の労働によってできているんだよ。

Googleのアイディアは太陽光から作られていた! http://greenz.jp/2008/06/03/google_soler/


アメリカ最大の太陽光発電オフィスといえば、サンフランシスコ郊外にある本社オフィスに太陽光発電システムを導入したインターネットサービス最大手Googleだ。

Google本社「Googleplex」の4つの建物の屋根などに、全部で9212枚のソーラーパネル(シャープ・エレクトロニクス製)が備え付けられ、備え付けられている建物が必要な、最大量の電力の約30%をまかなうことができる(年間約2GWh)。これは、カリフォルニアの1000世帯分以上の消費電力をおぎなえる電力量だ。

また、Googleの慈善プログラム「Google.org」では、この太陽光発電を利用したハイブリッドカーのプロジェクトに着手。ガソリン、もしくはバイオ燃料と電力で走るこのクルマは「プラグインハイブリッド(Plug-in hybrid electric vehicle)」と呼ばれ、1リットルあたり30〜42kmと、一般的なクルマの約4倍の燃費の良さが特徴だ。もちろん、Googleplex内の充電場で充電し、走るという。

Googleが世界中の注目を集める会社になった理由は、このような先進的なオフィス環境が大きく影響しているのかも?!


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