なぜ「尊厳死の自由制度」はベーシックインカムより有効なのか

pikarrr2010-11-04

「最小経費の最大幸福実現党からのお知らせです。我が党では、国民誰もがネットコミュニケーションを享受する環境づくりのために、国民へのパソコンとケータイの無料配布と通信料の無料化、およびネットコミュニケーション教育の充実を検討中ですが、このたび新たに尊厳死の自由制度」の限定的導入について検討を開始しましたのでご連絡致します。各位殿の忌憚ないご意見をお待ちしております。


実施内容

満60歳になると各人に尊厳死の権利が与えられます。希望すれば合法的に尊厳死を選ぶことが可能なります。必要な場合には国が無料で尊厳死の執行、および葬儀を執り行います。

*今後以下のような限定解除を検討中ですが、あくまでも尊厳死自由制度は人生からの逃亡ではなく満足な人生設計が目的です。
・ロックスターの場合は30歳で定年を許可する
・20歳を過ぎて15年以上労働歴がない場合は定年を許可する など




予想される経済的効果

1)高齢年金、医療費などの社会保障費を大幅に削減することができ、若者への負担を軽減することができます。
2)老後の不安から無駄に溜められた多額の貯蓄が日本経済を停滞させている一因と言われていますが、そのような死に金がなくなり内需が活性化します。

3)合法的に死を選択できる可能性が生まれることで60歳に達しない人々の自殺が減り、社会全体の生産性が向上します。
4)より正確な人生設計が可能になります。いつ死ぬかわからず無駄に老後の資金を貯めて、あくせく働く必要がありません。


予想される社会的効果

1)現在の非合法の自殺では残されたものが社会的に責めを負うことになっています。そのような自殺、および遺族の苦しみがなくなります。
2)家族に老後の心配をかけることがなくなります。高度に発達した生存医療によって植物人間として意思に反して生かされ、家族に介護の苦労をかけることもありません。

3)それまでの罪をできる限り償うことが可能になります。また十分に身の回りを整理することができます。死んだあとにPCから恥ずかしい動画が見つかって恥をかくこともありません。
4)周囲の親しい人々に予め旅立ちの日を連絡しておくことで、十分に別れを惜しむこともできます。生前葬もおすすめです。
5)好きな人と好きなときにともに旅立つことができます。仲の良い夫婦は共に旅立つことで、残った者を心配することもありません。




趣旨説明

人生とはなにか。それは「物語」です。人は植物や他の動物のように単に生きているのでありません。生死を繰りかえす遺伝子の乗り物ではありません。人が人であるとはその人だけの一つの物語を持つことです。そして物語は結ばれなければ物語ではありません。

太古から人類は死を誕生よりも重視してきました。埋葬という儀礼の誕生こそが人類の誕生した瞬間といってもよいでしょう。そして死を弔うことはその人の物語を結ぶことです。その人がその人だけの一つの物語を持っていたことを証明する儀式です。このように先に行く人の物語を結ぶことで生存している人も物語を作りあげることの意味を確認するのです。

現代ではマクロな経済という巨大な流れの中で人は植物や他の動物のように物語を持たない代替可能な存在となりつつあります。悲しいことではありますが物語を結ぶのは自らの役割になってしまいました。自らが自らの物語を結ぶことで人間であることを確認する。それだけではなく、後世の人々に人としての尊厳とはなにかを取り戻すよう問うことです。

尊厳死の自由制度」は人間に与えられる正当な権利です。自ら死を選ぶことに社会的・世間体としての恥はありません。自らの人生を経済的、社会的に設計し、自分の物語を描くのです。


参考 ベーシックインカム(働かない権利)からリビング‐ウイル(生きない権利)へ http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20091202#p1

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