なぜエロティックには物体化が重要なのか

なぜこの写真はエロいのか



グラビア写真に比べても、ネットで拾ったこの写真がなんともエロティックで良いなと思った。この写真のエロティックさとはなんなのか。

露出→まず前提として下半身が露出していることだろう。

スカート→スカートをはいていることにも大きなポイントがある。スカートがあることで本来隠すべきものであることが示されている、そして隠されるものが露出しているということの演出である。特にスカートの形が女子高生の制服に似ていることで、より本来隠されていることが強調され、暴露が演出される。

体勢→次にその体勢。尻が突き出されて、性器局部のある場所が正面にくることで、明らかに性交の後背位(バック)を妄想される。

状況→グラビアのポーズでも後背位(バック)を連想させるポーズはよくあるが、本来柔軟体操のポーズであることで、本来はエロチックなポーズでないのにエロチックなことを想像をしてしまう禁断さがエロティックを増幅する。

新鮮さ→グラビアなどでよく見なれているエロティックなポーズではない新鮮さがある。特に尻から太ももへの肉付き方に、グラビアで見られない日常での感じに、リアルさを感じてしまう。




エロのために存在する物体


そしてもっとも重要だとおもったのが、物体であること→腰が折れ曲がったこの体勢では、上半身と下半身が別物のように見える。下半身が彼女の人格から切り離された一つの物体であるようだ。下半身がエロティックさのために存在する一つの物体のよう。

たとえばSMプレイは単にいじめる、いじめられることにエロティックさがあるたけではなく、重要な要素に、身体を物体のように扱うことがある。物体とは主としての人に従うものである。身体を縛ったり、一部をぞんざいに扱うことで、物体であることが強調される。S側には征服欲が生まれる。

この写真の切り離された下半身はエロのために存在する物体であり、従うもので、好きなように扱えるものであることが演出される。




フェティシズムと物体化


オタクは生身の女性と対峙できず、空想の女性に逃げ込んだ弱い男子というイメージがある。確かにそういう面がある。それ故にオタクは男尊女卑文化を継承する。女性へのコンプレックスが男尊女卑として現れる。ロリコン傾向など、弱く、純粋で、従順な女性を空想する。そこには女性への抑圧された征服欲がある。

このオタクの性向の重要な一つとして、女性身体の物体化がある。オタクの萌えポイントひとつが女性と機械が融合するシチュエーションがある。綾波レイ、パヒューム、まゆゆ最終兵器彼女…感情が殺されることで、物質性が浮かび上がる。

たとえばフィギュアというものも物体化、そして所有したい征服欲の一部である。ここにあるのも一種のフェティシズムだろう。フロイトによるとフェティシズムとは、幼児期の快感の回帰であるが、フェティシズムには物体というキーワードははずせないだろう。人間から一部を物体として切り出す。




フェティシズムと商品


フェティシズムの氾濫は、フロイトがいうような人類に普遍的な幼児期よりも、現代の商品社会の影響が強いように思う。たとえばこの写真のようなスカートは女子高生の短いスカートなどからエロティックな記号として一般化しつつある。

現代のエロティックな商品はフェティシズムを演出することは基本だろうが、商品そのものが多くにおいて心理学的なフェティッシュとして記号化されている。だから人々は絶えずエロティックに帯電している。動物には生殖のための発情期が一時期存在するが人間は年中発情しているといわれるが、商品に囲まれる現代人にこそよく当てはまる。

たとえば日本人の新製品好きと処女好きは征服欲ということで、密接に結びついている。そして日本でグラビアやオタクのロリ商品など外国人が驚くほどに日常レベルでエロティックが開放されていることと、高度な商品社会を発展させたことは、結びついているだろう。

フェティシズム(英語:Fetishism)は、人類学・宗教学では呪物崇拝、経済学では物神崇拝と訳される。また、心理学では性的倒錯の一つのあり方で、物品や生き物、人体の一部などに性的に引き寄せられ、性的魅惑を感じるものを言う。極端な場合は、性的倒錯や変態性欲の範疇に入る。


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