最近、仏教に興味があります。

pikarrr2011-08-20

最近、仏教に興味があり関連本を読んでいる。といっても信仰というよりも思想として。

「日本倫理思想史(一)」 和辻哲郎 ISBN:4003811054
「日本倫理思想史(二)」 和辻哲郎 ISBN:4003811062
「日本倫理思想史(三)」 和辻哲郎 ISBN:4003811070
「日本精神史研究」 和辻哲郎 ISBN:4003314476


「日本的霊性 鈴木大拙 ISBN:4003332318
「禅学入門」 鈴木大拙 ISBN:4061596683
「禅」 鈴木大拙 ISBN:4480021574


梅原猛の授業仏教」 梅原猛 ISBN:4022615192
歎異抄 梅原猛 ISBN:4061594443


「仏教の根底にあるもの」 玉城康四郎 ISBN:4061587315
「日本仏教史」 末木文美士 ISBN:4101489114


「武士の成長と院政 日本の歴史07」 下向井龍彦 ISBN:4062919079
「内乱と民衆の世紀 大系日本の歴史6」 永原慶二 ISBN:4094610065




仏教に興味をもったのはまず武士に興味をもったから。以前「甘え」の構造」 土居健郎ISBN:4335651295)を読んたときに、日本人の本質が「甘え」にあるとして語られ、そして江戸時代の武家社会の義理人情などの文化も甘えを元にしていると語られることに違和感がもった。土居健郎精神分析医で、精神分析とは西洋的、さらに近代以降の精神構造を分析するために開発された手法である。そこからみれば、武士の甘えということになるのだろう。

考えると武士とは不思議な存在で、1千年近く武装した集団が日本を統治したことになる。かといってもただ暴力による恐怖統治が行われたわけではない。武士の台頭は日本の民主化と深い関係がある。

聖徳太子以降の中央集権の律令国家であった日本が、平安末期の地方の台頭とともに、暴力を独占する朝廷に対して自立した地方の自衛集団として武士が台頭してくる。多くが農民の自衛であり、野武士への転向であった。そしてやがて武士が地方分権的に日本中を統治するようになる。

それとともに、鎌倉仏教と言われる民衆仏教が台頭してくる。それまでの仏教は聖徳太子に始まり、海外からの先鋭的な知識として伝わり上流層のための教養となった。それが武士の台頭の頃の民主化と同期するように、浄土宗や禅宗など民衆のための仏教として広まる。さらに一部は武士の精神性を高めるための道具として洗練させていく。

このような民主思想は現代までも繋がっている日本人の特殊性の起源の一つといってもいいだろう。たとえば震災で話題になった混乱時にも落ち着いた日本人の秩序の起源の一部でもある。




いま興味があるのは、
集団主義、現実主義的ないまの日本人の起源と言われる思想がどのように生まれてきたのか
・仏教が目指す西洋哲学的な「分析」を否定する「悟り」とはなにか。西洋哲学の主客二元論をいかに越えるのか。悟りとは慣習をも超越したものなのか、それとも慣習を土台にしたものなのか。
・驚いたのはボクの考える日常哲学派( 日常哲学派の思想地図 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20101022#p1)ととても通じるところがある。日常哲学と「悟り」は似ている。すなわち実践とはなにか。


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*1:画像元 拾いもの