<夏休み特別企画>日本人はどのようにつくられてきたか 外来思想と統治技術 


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 第4章(0.6M)http://drive.google.com/file/d/0B3wPi0VHuci5RzMtdnNydXdzOFU/view?usp=sharing
 第5章(0.7M)http://drive.google.com/file/d/0B3wPi0VHuci5ZG8xMU9DSjFTX2s/view?usp=sharing



はじめに


2008−2015年にブログに書いてきたものを選んでまとめました。このブログには自分の中になんとなく主題があって、「ボクはどのようにできているんだろう」ということです。ブログでは「日本人はどのようにつくられてきたのか」ということになります。例えば始まりはほんの些細なことで、「なんで上から二冊目の本を買うのか」とか、「なんで朝あいさつするんだろう」とか、それは思想以前の慣習です。このような慣習をフーコーは統治技術と呼びました。
歴史上、日本人は積極的に世界最先端の知を享受してきました。古くは中国、欧州、そしてアメリカ・・・。日本人は、この次々到来する思想をいかに統治技術として生きてきたのか。今回、このあたりを中心にまとめなおしました。
このブログは誤字脱字、文章の短絡等々の宝庫です。いろいろいいわけはありますが、今回読める程度に見直してみました。ただしもとの文章がもとなので・・・

日本史を通じて思想の全体構造としての発展をとえようとすると、誰でも容易に手がつかない所以は、研究の立ち遅れとか、研究方法の問題をこえて、対象そのものにふかく根ざした性質にあるのではなかろうか。・・・これはあらゆる時代の観念や思想に否応なく相互関係を与え、すべての思想的立場がそれとの関係で −否定を通じてでも− 自己を歴史的に位置づけるような中核あるいは座標軸に当る思想的伝統はわが国には形成されなかった、ということだ。
P4-5 「日本の思想」 丸山 真男 (ISBN:400412039X




目次

第1章 ハイコンテクストな日本人
■日本人のハイコンテクスト社会 (2010) 
■日本人の家業主義(職の体系)と外国かぶれ新陳代謝システム (2013)
■日本人の覚醒と禅 (2011)


日本人がつられてきた歴史を考えるときに、もっとも影響が大きいのは地政学的なものだろう。中国という世界一の文化を絶えず取り込みながら、辺境の島国故に侵略されたことがないという奇跡的な環境。島国という閉塞はハイコンテクストな文化を生み、またその閉塞を回避するために次々に外来文化にかぶれ続ける。日本人は海外からの波を年輪のように積み重ねて作られてきた。そしてその核になったのが天皇を中心とした職(役割)の体系である。

第2章 中華文化圏の日本人
■中国史としての日本  (2013)
■儒教とはなにか (2015)
■日本人の中の儒教  (2015)


縄文時代から少なくとも江戸時代まで、日本人は中華文化圏の隅っこを生きてきた。なぜ日本人は中国人じゃないのかと問うてしまうほどに。そして中国を支え続けてきた儒教の影響を受けないわけがない。儒教とはなにで、どのように日本人をつくってきたのか。

第3章 現代最強の倫理 マクロ思考
■現代最強の倫理 マクロ思考 (2013) 
■マクドナルド型生権力 (2009)


進化、市場、経済など全体として秩序が表れることは近代に発見された。マクロ思考の倫理とは自らが全体秩序の単位であることを知ることである。現代社会はマクロ思考をもとに設定されて、人は生まれ落ちたときから体で覚える。マクロ思考の基本となる個という概念、現代なら平等はキリスト教に一つの根を持つアンビバレントである。そして優生学や遺伝子操作などの裏面を生み出した。

第4章 禁欲主義の系譜
■禁欲主義の系譜 (2012)
■プロテスタンティズムと日本人の性倫理 (2011-2014) 


マクロ思考までの歴史は禁欲主義の歴史である。人は自らを律して自己管理する。特にキリスト教という禁欲主義は現代の自由主義経済への飛躍に大きな貢献をした。だからいまも自由主義経済にはキリスト教の倫理が影響している。特に純愛主義など性に関して厳しさに特徴があり、日本人もまた強い影響を受けている。たとえば性反乱の時代に童貞率が高くなるとはいかなることか。

第5章 現実の作り方
■現実とはなにか (2008)


原理論。現実は、せき立てという止まらない時間と慣習でできている。慣習とはその時代の統治技術である。

主な参考本
 歴史系 http://alltitle.g.hatena.ne.jp/pikarrr/20170206
 哲学系 http://alltitle.g.hatena.ne.jp/pikarrr/20170204



参考 2012年12月公開 第三の波平ブログ論集(2004-2012).pdf