[議論「初音ミク」はオタクを越えられるか その2

pikarrr2007-12-22

考える名無しさん
でも今のところミクでオリジナル曲作ってる人はあまり多く無いよね。まだオタクのおもちゃでしょう。オタク的なわかりやすいヴィジュアルってのはオタクには親しみやすいけど、普通の人にとっては逆に近寄りがたい。

第三の波平
たしかに、オリジナル曲を公表するため、(マジ)というよりも、ネタとして遊ぶと言う方が強いですね。オタクという二次創作性(ネタ)の文化にのっかっている。その意味では、ボクがいっていることは、いまのところ、可能性ということになります。

初音ミクというフィールドで物語をつくっていく物語消費、あるいはそれは東のいうようなデーターベース的な構造をもつかもしれない。オタク的はこのようなフィールドを必要とする、すなわちネタとして、共有性をもつことを特徴とする。

では、このソフトを使って、初音ミクを離れて、一つの女性ヴォーカリストとして、すなわち一時創作(マジ)として作品を提供して、受け入れられることはできるだろうか、ということ。

ボクはできると思う。できるようになると思う。いまの初音ミクネタはきっかけでしかない。このフィールドはもっと可能性を広げていくだろうと思う。すると、音楽は大きく変わっていくのではないだろうか。

考える名無しさん
アニソンやエロゲソングなんかは、ヴォーカロイドになってもあまり違和感ない。もともと歌手の声に重きを置いている訳じゃないし。アニメやゲームと繋がってることの方が大事。でも単体の音楽ソフトだとどうだろう。”初音ミク”や”鏡音リン”のようにキャラ設定があればまだいいけど(キャラ商品だな)。単に音声読み上げだけじゃ辛いんじゃないだろうか。

第三の波平
ポップスがすべてヴォーカロイドになって、人がいらないということではなくて、ヴォーカロイドが使われる可能性を広がる音楽分野があるということ。

人が歌うことの特別性があり続けるけど、もともと打ち込み系のテクノやトランスなどは、すでに人の声を加工して使っているわけで、ヴォーカロイドのような道具が出てきたことは、その可能性をより広げる。

でもそれよりも大きな可能性は、プロの可能性を広げるというようりも、しろうとが女性のヴォーカルを手にれることが容易になるということの可能性だろう。しろうと打ち込み系たちが、安価で容易に魅力的なヴォーカルを手に入れることで、彼らのマニアックな音楽が、受け入れやすいものになる可能性は大きいと思う。

このようなしろうと打ち込み系は無数にいるでしょ。でも彼らの音楽って、声がなく、マニアックで受け入れにくいものだったのが、簡単に魅力的なものにできるということに、革命性があるように思う。

どっちにしろミクだけではすぐに飽和するわけで、展開としてはこれからでしょ。実際に半分ネタだけど、プロがのっかたっりしてるわけで。

「ボーカルは初音ミク戸田誠司の新曲映像がネットに“流出”」  http://natalie.mu/news/show/id/4589

考える名無しさん
ミク以前にもボーカロイドボーカロイド的ソフトはあったし、ミク以前にもVo.との交渉は面倒だけどVo.付の楽曲は作りたいって人員は居たし、ニコニコ以前にも楽曲の発表の場、投稿サイトはあった。ミク+ニコニコ以外にも正のフィードバックのループの例としては古くはムネオハウス、最近ではチーターマンなどがあるものの、これらはミクとは二つ三つくらい桁数が違う。いくらネットとオタの親和性が高いとはいえこの差はちょっと異常。

第三の波平
そもそもなんでオタクだけでニコニコのような盛り上がりができるんだ、という驚きがある。世の中にどれだけオタクがいるんだ。一般的にはマイノリティー扱いなのに、この集客性とマンパワーはなんなんだ!と。

実際にネットにおけるオタクパワーはすごい。ブログを書いても、オタクネタだと10倍アクセス数が異なる。たとえば「萌え」と言葉を入れただだけで、流れてくるオタクは多数。ネット上でこれ以上のまとまったマイノリティーは見あたらないといってよい。

社会生活では、オタクは深夜オタクアニメが多いな、情報番組で秋葉のオタクを紹介という半分馬鹿にした番組ぐらいしかみないマイノリティーな存在なのに、ネットでは一大勢力である。

考える名無しさん
ミクについては、アニソンの劣化コピーとしか見てないです。「アニソンのマネ」を一生懸命やってるコンピュータに過ぎない。人工知能開発の失敗の歴史の1つです。

人工知能はもっと「立派なもの」を作りたかったのですが(工学者は)それに失敗した「ゴミ」を子供向けの商品として売り出したのが、aiboなどの「ロボット」なんです。

「人口無能」「会話理解」という研究テーマが失敗したため、「オモチャ」として売り出したものです。中途半端な能力しか持たないのは当然です。本当はもっと自然言語理解」を完璧にやる筈なんですが、子供向けの「会話オモチャ」しか作れなかったのです。

第三の波平
ミクを人工知能につなげるのは、かなりトンチンカンではないかな。ヴォーカロイドは、ぶつ切りにされた人間の声を、より自然に発生させるということで、インテリゼンスとはなんら関係がない思うけど。

「アニソンの劣化コピーというのは、ミクの存在が「アニメキャラの劣化コピーということかな。ここには、ヴォーカロイド2の技術の問題と、ヴォーカロイドが成功するためにアニメキャラの劣化コピー(ネタ)を必要とする、という問題がある。

キミのようにヴォーカロイドの技術は、所詮その程度とみるか、ボクのように、これをもとに、「アニメキャラの劣化コピーを越えたマジ音楽創作に展開されるという考えがあるわけだ。

第三の波平
ようするに、ボクはニコニコのオタクの創造性のたくましさに驚いたというわけです。もともとオタクがもったものであるが、ニコニコはひろゆきが想像しなかったように、そのようなパワーが結集する場となり、二次創作といいながら、その高い創造性はメジャー化する可能性を十分秘めている。特に、音楽は一つの世界的な共通言語だから、音楽という媒体を用いることで、メジャーに、そして世界市場に展開されやすい。

ネットは2ちゃんねる、ブログなど、ご託を並べるシニカルな場としてクローズアップされてきたけど、ケータイ小説しかり、とうとうネットが創造性の場として展開される、時代がきたのかな、と。ようは2ちゃねらー、ブロガー、あるいはYouTubeは、基本的にただ乗り屋であって、真に美しいのは、創造する人々ですよ、みたいな。

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*1:本内容は2ちゃんねる哲学板東浩紀スレッド93」http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/philo/1197477432/からの抜粋です。内容は一部修正しています。

*2:画像元 http://pozaki.pino.egoism.jp/