2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

B面 昭和史 1926-1945 半藤一利 ASIN:B01BOF9

第二話 赤い夕陽の曠野・満州 昭和五〜七年 日本はこのころから一歩一歩 、恐る恐る足を踏み入れていった。けれども歴史のなかに生きていた当時の人びとは 、こうした年表的解説どおりに明々白々として事態を認識していたわけではない 。政治的 ・軍事的な進…

なぜ日本は一人あたりのGDPが低くても豊かなのか 日本人は商品の中で祈っている

一人当たりGDPがイタリア並みでも日本経済は素晴らしい 塚崎公義 (久留米大学商学部教授) http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7677?layout=b イタリアというと、「ローマ帝国の歴史は素晴らしいが、今の経済は低迷している」、という イメージが強いので…

慈悲 中村元 講談社学術文庫 ISBN:4062920220

第三章 慈悲の観念の歴史的発展 慈悲は人が他の人に対して行うもの そもそも慈悲とは、始めは人が他の人に対して行うはたらきであり、物質的方面でも精神的方面でもひとを救って、それを機縁として最高究極の境地に至らしめる純粋の心情であった。かかる心情…

宗教以前 高取正男、橋本峰雄 ちくま学芸文庫 ISBN:448009301X 

忌みの思想 「忌み」の意識に基本的に含まれる浄・穢の観念は、聖と俗という表現になおすこともでき るが、本来の「忌み」にはみずからの穢れを去って聖に近づこうとすることと、穢れを避け てみずからの聖性を維持しようとする二つの側面があり、これらは表…

寺檀の思想 大桑斉 教育社歴史新書

1 寺檀関係の形成 十七世紀前半の半檀家的寺檀関係は、十七世紀後半、農民の家が広汎に形成されてくると、その家結合の精神的紐帯としての祖先崇拝を生み、その菩提寺として特定寺院との関係が固定化することによって、一家一寺制の寺檀関係が形成され、そ…