2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ街の浮浪者は見えないのか

「貧しい者」はどこにいるのか マザーテレサが来日したとき街の浮浪者に手を差し伸べたという。これは一つのショックである。僕たちはテレビで、マザーテレサは世界中の貧困の地域にでむき、貧しい人びとに手を差し伸べている場面をよく見ている。そして世界…

なぜ国家は必要とされるのか

第三の波平 グローバルな資本主義の展開というのはますます拡大していて、たとえば昨年ベストセラーになったトーマス・フリードマンの『フラット化する世界』(日本経済新聞社)でも出ていましたが、アメリカ人とインド人が直接に賃金競争を行うような場合が…

なぜ亀田家バッシングは薄気味悪いのか 炎上化する社会

新たな「世論」の力への気づき 亀田バッシングを見ていて感じる薄気味悪さはなんだろう。処罰をこえて、人格攻撃にいたる人々のヒステリックさ。その人格はいままで魅力であったところそのものである。最近、バッシングが途絶えることがない。安部首相と大臣…

なぜ科学技術は死を溶解するのか

死刑の自動化 アメリカの映画で電気椅子による死刑執行場面があった。スイッチが数個ならび、それぞれの前に執行人が立ち、合図とともに一斉にボタンが押され、電気椅子に電気が流れ、刑が執行される。この意味は誰が実際に電気をオンにしたのかわからなくす…

「なぜお金はすべてなのか」Q&A その3 縦−横の贈与交換関係

⑧戦争は共同体と共同体の間でおこる 「共同体と共同体の間」が極限の状態であるのは、商品交換が奇跡的な行為である以上に、「共同体と共同体の間」とは、力のある方が暴力的に略奪する、闘争が行われる領域であるからだ。原始社会から、共同体内は贈与交換…

「なぜお金はすべてなのか」Q&A その2 貨幣の贈与性

「[まとめ]なぜお金はすべてなのか 純粋贈与と、贈与と、交換(全体)」http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20071004への反響が広がっています。「なぜお金がすべてなのか」という題名が受けたのかと思っいましたが、内容へのそれなり反響があったようで、はてな…

「なぜお金はすべてなのか」Q&A 

「はてな住人むちゃするな〜(笑)」 なにがおこったのだろうか。「[まとめ]なぜお金はすべてなのか 純粋贈与と、贈与と、交換(全体)」http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20071004に大量のブックマークがついている。「はてな住人むちゃするな〜(笑)」。ど…

なぜお金がすべてなのか 純粋贈与と贈与と交換

「[まとめ]なぜお金はすべてなのか 純粋贈与と、贈与と、交換(全体)」http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20071004 の要点整理。 ・例外状態と権力 生存を保障することで、その時代の「神」は選ばれる。アガンベンはシュミットを引用し、「主権者とは例外状態…

なぜお金はすべてなのか 純粋贈与と、贈与と、交換(全体) 

1 純粋贈与と、贈与と、交換 2 貨幣への負債感 3 科学技術−国家(法)−貨幣 4 貨幣交換世界の正当性 5 神々の闘争

なぜお金がすべてなのか(仮) その5 神々の闘争

なぜグローバリズムで格差が生まれるのか 例外状態をいかに統治し、成員の生存を確保するか、それがその時代の「神」の役目である。柄谷がいうように、グローバリズムとは、最近のことではなく、国家はそのはじめから世界経済とともに発生した、ということで…

なぜお金がすべてなのか(仮) その4 貨幣交換世界の正当性

経済学的貨幣交換世界はどこにあるのだろうか 古典派ないし新古典派経済学においては、純粋状態とも呼べる経済システム像が構想された。すなわち経済主体とは自律的「個人」であり、そうした個人が「利己心」をもって「市場」で取引をするなかで「神の見えざ…

なぜお金がすべてなのか(仮) その3 科学技術−国家(法)−貨幣

生存を保障したものとしての「神」 不確実性としての外部を隠蔽し儀礼的に調停するところに「神」は生まれ、人は負債感をもち、従う。このようなラカン的象徴化装置において、贈与も貨幣も説明されるが、この装置は汎用的である。たとえば君主や国家も同様の…