2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜお金がすべてなのか(仮) その2 貨幣への負債感

現実の貨幣交換はどこまで純粋か 「交換において負債感は生じない。というよりも正確には、負債感の持続時間がゼロである。商品Aと商品Bを本当の意味で等価交換したならば、双方には心理的な貸し借りの感情は、生じるとしても瞬時に、その場で相殺されるだ…

なぜお金がすべてなのか(仮) その1 純粋贈与と、贈与と、交換

幸運と神 たとえば宝くじで10億円当たってしまうと、どのような気持ちになるのだろうか。それは飛び上がるほどのうれしさであるとともに、不安になるのではないだろうか。無償で大金を贈与されることの罪悪感がともなうだろう。このために宗教への帰属とは…

なぜワイロはなくならないのか

貨幣交換と互酬 貨幣交換と互酬(贈与と返礼)の違いは、貨幣交換は「相手が誰であろうが、等価として交換する」という、その場だけで成立するものです。近代以降の流動性の高い社会では、多くの初対面の人と交換を行う必要があります。そこではその場で成立…

なぜ「世界共和国」なのか

人の関係の基本としての「公平感」 人の関係の基本には「公平感」がある。人々は他者と同等であることを望み、また多くを得た者は負債感から他者との差異を解消しようとする。たとえば小さな子供は、他の子供がもっているものを欲しがることに公平感の源泉を…

なぜ若者は車を買わないのか

若者の所有欲は減退しているのか 20代の若者の所有欲そのものが減退しているという不思議な現象 日本経済新聞社が首都圏に住む20代、30代の若者(20代1207人、30代530人)を対象に実施したアンケート調査の結果、車を買わず、酒もあまり飲まない一方、休日は…

「世界共和国へ」 柄谷行人

柄谷行人「世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて」(ISBN:4004310016)を、史観を主にまとめる。 未開社会 互酬制共同体 原始社会と未開社会は異なる。原始社会は国家の前段階の共同体であるが、未開社会は、国家の周縁部に位置し、文明を拒否する共同…