2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「断絶」を閉じる欲望が「断絶」を開く

精神と身体の「断絶」 ラカンのネオテニー(幼形進化)はフロイトから来ているものでしょ。人間は早熟で生まれ、統一した自我を持たないために、生まれた後に他者像(鏡像)によって統一的な身体像(自我)をもつ。これによって人間はそのはじめから自分を他…

「無垢」ジャンキー

主体とは否定神学システムである。否定神学システムとは消失点(断絶)を空想で隠す。消失点とは自己言及点だ。この「私は誰だ」に答えられないというシステムの不全点から、「お前は誰でもない」と偶然性が進入し続ける。だから「オマエモナー」は空想を暴…

なぜ「否定神学システム」を回避することは不可能なのか。

なにが外部へ排除(欲望)されているか 「グーグルの技術者たちが作り込んでいく情報発電所がいったん動き出したら人間の介在なしに自動的に事を成していく」世界である」*1というとき、この「人間を介なしに」という空想は、ボクが「機械論の欲望」と呼ぶも…

ラカンとデリダとボクと その2

固有名論 ラカンとデリダの近似的な関係を見るために、「存在論的、郵便的」(ISBN:4104262013)で重要な、固有名の議論を見てみよう。 「エクリチュール」とはコミュニケーションの脆弱さ、つまり誤配可能性一般を意味している。他方、「多義性」と「散種」…

ラカンとデリダとボクと その1

「クッションの綴じ目」=偶有性から単独性への転倒、まなざしの快楽 ボクは「偶有性から単独性への転倒に神性は宿る」といった。たとえば、ある女性を好きになる。そして彼女は僕の女神になる。このときになぜその女性が好きになったのかの理由はたまたま(…

Googleはなぜ「世界征服」をめざすのか その3 人工知能の不可能性

「ネットの欲望」 「ネットの欲望」とはこの短期間にウイルスのように広がったネットの力です。これは、どのような力によって、これほどのダイナミズムを持ち得ているのか。それが「ネットの欲望」です。当然、ボクも強い「ネットの欲望」の保持者でしょうし…

Googleはなぜ「世界征服」をめざすのか その2 「機械論の欲望」 

素朴な「ネットの欲望」 「ウェブ進化論」 梅田望夫(ISBN:4480062858)は反響を呼んでいるようです。確かに面白いし、ネットでなにが起こっているかよくわかります。しかし「世界政府」など「危険なこと」も書いているにもかかわらずに、「素朴な好意論」が…

Googleはなぜ「世界征服」をめざすのか 「ウェブ進化論」 梅田望夫

「ウェブ進化論」 「ウェブ進化論」 梅田望夫(ISBN:4480062858)を読みました。「本当の大変化はこれから始まる」という野心的な副題がついています。最近、グーグルが凄いという話を聞きますが、なにが凄いのかが、書かれています。著者によると、「インタ…

小さな権力闘争による創発性という「ジャングル化社会」

ぴかぁ〜 「商品」というものの交換を成り立たせているものが「上から二冊目の本」性、すなわち物神性だとマルクスはいっています。それも資本論のはじめはこの欲望論からはじまっています。なぜならそれが資本主義の根源的な問題だからです。 商品の物神性…

ネット依存の快楽

ケータイという対戦ゲーム最近のケータイの使用はすさまじいものがあります。最近おもわず写真とりたくなった光景があって、昼時、街のスパゲッティー屋さんの前で椅子にすわって順番待ちしてる四人家族がいて小学生ぐらいの息子、娘とパパ、ママの四人が待…

欲望論パースペクティブ

1 「生と死」の断絶と解体と救済*1 「力としての生」と「知としての死」生と死において重要なことは「個」ということだ。たとえば、僕たちの内部では今も多くの細胞が「死んでいる」。しかしそれこそが僕たちの「生」を支えている。ここでは、「細胞」を「…

「生と死」の断絶と解体と救済

「力としての生」と「知としての死」 生と死において重要なことは「個」ということだ。たとえば、僕たちの内部では今も多くの細胞が「死んでいる」。しかしそれこそが僕たちの「生」を支えている。ここでは、「細胞」を「個」と考えると、細胞は死んでいるの…

ドラマ「時効警察」はなぜおもしろいのか。

今クールの中でずば抜けて、面白いと思うのが、ドラマ「時効警察」(http://www.tv-asahi.co.jp/jikou/index.html)です。時効課の警察官が時効になった事件を趣味で捜査し、みごとに真相にたどり着くというドラマです。このシチュエーションのポイントは、 …

ジャングル化する社会を生き抜く3つの方法 その2

⑦ジャングル化する社会を生き抜く3つの方法ジャングル化する社会を生き抜く方法とは、簡単に言えばいかに「生き生き」しつづけるかということです。 かつてのサバイバルが豊かさによる「生死」であったのに対して、現代においては「生き生き」できないもの…

「無垢の欲望」という啓蒙

■「無への欲望」と「無垢への欲望」 考える名無しさん 「仮面。――どこを探しても中身がないような、純然たる仮面に過ぎないような女たちがいる。ほとんど幽霊のような、当然満足させてくれるはずもない。こうした者とかかわり合う男はあわれなものだ。しかし…

ジャングル化する社会を生き抜く3つの方法 その1

①ジャングル化する社会人間社会とはジャングルから秩序を建設することであった。そのような社会的秩序は階級構造によってなりたっていた。うまれながらに居場所、行為が規定されている。民主化とはそもそもが社会構造解体の流れをもつ。平等であることは競争…