2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マルクスの「労働価値」はなぜ消えたのか

「貨幣は貨幣であることで貨幣である」 岩井克人の「貨幣論」(ASIN:4480084118)では、マルクスの「資本論」(ASIN:4003412516)で展開された価値形態論が脱構築されている。マルクスの示した価値形態の図式を循環論Zへと展開することで、貨幣という形態には…

ラカンと認知科学

考える名無しさん ぶっちゃけ、ラカンなんて学んでも雑談以外にメリットはない。若いんなら、そんなもんに貴重な時間を使わないでほしい。認知科学分野からみたら、ただの与太話にすぎないんだから。 ぴかぁ〜◆q5y3ccmqnw 認知科学は、情報処理の観点から知…

なぜ「熱狂」は語れないのか

近代自然科学と経済 近代自然科学の特徴は、要素還元主義にある。(空間(時間)的、偶然性の排除、非擬人主義)ここには、自然の構造は簡単な形に定式化できる、という信念が隠されている。またヘブライズムからキリスト教における、主客分離(観察する主体…

近代科学を超えて 村上陽一郎

(ASIN:4061587641) はじめに 科学のなかである種の「発展」が起るとき、その「発展」に対して必ずしも「データ」が中心的な役割を果たしていないように思われる事例が多い・・・科学もまた全時間・空間を縦貫し横断して成立するような「離陸」した存在ではな…

フーコーの権力論とグレイゾーン化

歴史家としてのフーコー 精神分析へのフーコーの批判がある。フーコーは精神分析的な人間構造の絶対化に対して、歴史相対化する。たとえばエティプスコンプレックスは人間そのものに根源的なものでなく、近代的な家庭主義であると。(ラカンなどの精神分析に…

なぜグレイゾーン化は熱狂を生むのか

グレイゾーン化と予測可能性の向上 技術(テクネー)とは利便性を目指すのでなく、「自然」の開拓であり、開拓される「自然」=無垢の制作=グレイゾーン化である。グレイゾーン化とは、世界の不確実性を予測可能性へ転換すること、リスク管理することである…

「象徴的貧困」というポピュリズムの土壌 ベルナール・スティグレール

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/stiegler.html 1)一九世紀の産業革命を経験した資本主義の二つの大きな帰結 ①「生産における貧困」プロレタリアの登場(プロレタリア化(マルクス))。生産にかかわる知が機械に移行して、もはや自分の「作る知」によ…

なぜグレイゾーンの全面化は「動物化」し「野蛮化」するのか

満足とはなにか。 人々の満足とはなにか。満足が、単に「豊か、自由、平等」でないことは確かである。いま、「豊か、自由、平等」の中にいるボクたちの様々な行為がそれを示している。ただこれらが満足の重要なものであることも確かである。これは、ホッブス…

なぜ神話への熱狂は必ず回帰するのか

ヘーゲルの弁証法とダーウィンの進化論の差異 マルクスは社会は自然と人間、人間と人間の関係において、考えなければならないという。ここで自然は一見、外部のようであるが、外部ではない。マルクスは自然と人間を、共同所有と私的所有で分析する。すなわち…