パソコンがウェブユーザーにフリーを訓練したように携帯端末は課金を訓練する

pikarrr2010-01-23

サイバースペースの独立性

汚物にまみれた産業界と癒着した世界中の政府に告げる。醜く肥え太り正常な判断力を失った貴様等忌むべき独活の大木どもよ、私は魂の新世界、電脳空間からの使者だ。やがて訪れる未来の為に言う、我々に干渉しないでくれたまえ。貴様等は我々にとって歓迎すべからざる存在だ。この電脳世界に集う我々に対して貴様等は統治する術など持ってはおるまい。

・・・我々は電脳世界に魂の文明を造り上げる。それはきっと貴様等が造り上げた世界よりはるかに人間的で素晴らしい世界となるだろう。


一九九六年 二月 八日 ジョン・ペリィ・バァロウ サイバー反体制派 電子フロンティア財団共同設立者
http://www.asyura.com/2003/dispute6/msg/284.html

ウェブにはその始めから実社会とは異なる独立性をもってきた。国家とは異なる秩序、資本主義とは異なるエコノミー、そして新たな社会性。これらはウェブの特性に裏付けられたものである。レッシグはネットでは「コードが法である」といったが、そうであるならコードを書くプログラマーが法を作る主権者である。

実社会では世界を作ることはとんでもないコストがかかるが、ウェブでは安価で誰にでも一からコードによって世界を作ることができる。ウェブではよいコードを書くものが主権者なのである。だからサイバースペース独立宣言」ぐらいのネタは飛び出すだろう。

そしてプログラマーであることにかかわらず、いまもウェブには実社会からの独立性が深く根付いている。著作権に反対したり、課金を嫌ったりするのは、このようなウェブで習慣化されてきた独立性の影響によるだろう。




パソコン世代からケータイ世代へ


このようなウェブの独立性の習慣を訓練されたのはパソコンからウェブを活用してきた世代である。しかしいまはパソコンよりも、携帯端末からウェブを活用し始める人の方がずっと多い。携帯端末は移動中にウェブをすみやかに利用する利便性が重視される。だからコードを書くような高度なことができないのは当然として、ウェブサービスの利用もパソコンに比べてずっと自由度が低い。むしろサービスの自由度を限定し必要な機能を簡潔に使えるようなユーザービリティが求められる。

このような特徴から、ケータイ世代はパソコン世代のようなウェブの独立性を学ぶことがない。むしろ帰属意識は実社会のままで、日常生活との連続性として便利なツールとしてウェブを活用する。ケータイ世代にとってネットは特別なものではなく便利な回線でしかない。

パソコン世代は高い自由度に対して、自ら使い方を学び、またカスタマイズする習慣を訓練される。なんでも教えてくれでは、軽蔑される。それに対して、ウェブを便利ツールとして習慣化されたケータイ世代は、なんのためらいもなくお金を払っても使いやすいサービスを選ぶ。さらに携帯端末は、日本のケータイやiPodのように端末提供からサービスまでが一連で提供されることで、安心して課金することができる。

機器のコストが下がったこともあり、機能ごとに携帯端末をもつことも可能になり、今後携帯端末からウェブを活用する流れはかわらないだろう。まず日本のケータイから、iPodiPhone、NintendDS、PSPそしてスマートフォン、グーグルのAndroidOSや、電子ブックリーダーのアマゾンのキンドルやアップルタブレットなど。




ケータイ世代 vs Google


グーグルの焦りはこのような新世代ウェブユーザーにいかに対応するかだ。ケータイ端末ユーザーはあまり検索をつかわないし、検索からサービスを利用しないそしてパソコン世代のようにグーグルに対して強い思い入れ(フェティシズム)を持たない。そしてケータイ世代はコミュニケーションにしろ、ゲームにしろブログにしろ、直接サービスを楽しんでしまう。

ここで重要になるのはコミュニケーション・ゲームの窓口としてのSNSであり、いま起こっているのがSNSを中心としたプラットフォームの争いである。そして携帯端末との連続した安定サービスを望む。これは広告を収入源にするグーグルには死活問題である。この流れにGoogleスマートフォンNexus Oneもあるのだろうが本来得意な分野ではなく厳しい戦いになりそうである。

現在,(米国の)データポータビリティ戦争は Facebook vs Google の構図となっているが,現状ではFacebookがその圧倒的な成長力によってGoogleをリードしている。・・・Googleの弱みは,自社ブランドSNSがない点だ。

ここでFacebookの狙っていることは全世界の個人情報とソーシャルグラフ,アクティビティを一手に集約すること,またGoogleの狙いはその阻止にある。仮にFacebookが来年も同等のペースで成長し続けると,Googleと同等ないしそれ以上のパワーを持つ覇権企業に成長する可能性がある。このコネクト技術は次世代IT覇権を争う重要なカギとなるため,熾烈な争いとなっているのだ。

Facebookの普及が遅れている日本においては,データポータビリティ戦争の緒戦としてオープンID競争が起こり始めている。現在の最強プレイヤーはYahoo,すこし遅れてmixi,さらに今後猛追する可能性があるのは楽天だろう。そしてそれぞれIDを足掛かりに,課金決済やポイントなどをプラットフォーム化し,シェアを争うことになるだろう。


GREEオープン化とは? コネクト技術詳細とmixi/モバゲー/Facebookとの比較 http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2010/01/greemixifaceboo.html

1月5日(米国時間)に発売されたGoogleブランドのスマートフォンNexus Oneの発売1週間の販売台数を20,000台と予測している。これは昨年米国で発売されたiPhone 3GS「myTouch 3G (Android)」「DROID (同)」に遠く及ばない数字で、Googleから直販という独特な販売方法の苦戦が伝わってくる。


Googleブランド通じず? -Nexus One発売1週間でわずか2万台 http://journal.mycom.co.jp/news/2010/01/14/010/index.html


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