なぜ指原莉乃は大躍進できたのか 第3回AKB48選抜総選挙

pikarrr2011-06-13

指原株は上昇銘柄


AKB総選挙って人気投票でもあるけど株価に似ている。株式相場って必ずしもいま儲かっている企業が人気があるわけではなくて、将来伸びる銘柄に投資する。今低くて将来伸びる差から利益をえるわけだ。オタの投票っていまはまだ一般の人気低い子を応援し将来伸びることを楽しむ、自分が育てることを楽しむという先物買いの特徴があると言う意味で株価に似ている。

そしてさしここと指原莉乃は、まだまだ全国区の人気を得ているとはいえない。一般人の人気投票じゃまだまだ10位以内は難しいだろうが、将来を見込まれて9位になったところが大きい。

ではさしこのどこに将来性をあるのか・・・指原キャラは見てすぐわかるものではなくて、じわじわくる。事務所のしがらみがあるのかも知れないが、今回9位に大躍進したことで秋元才加のあとに「いいともの」レギュラーにさしこがくる流れがあるんじゃないか。たぶんいいともレギュラーとれたらじわじわ伝わって、全国区でいっきにさしこキャラブレイクすると思う。それぐらい潜在能力が高い。




なぜ前田敦子は総選挙で泣き続けたのか


前田敦子はすっかりしおらしく、かわいらしくなった。昨年の敗退はよっぽど堪えたんだろう。一昨年の1位のときは、「AKBに人生を捧げる」とかいって、AKBの象徴、私がいなければ、という強い想いがあったんだろうが、昨年の敗退、そしてその後、敗退したのにセンターにいることのバッシングなどで、自分の思い上がりを知らされた。それは自らの存在意義を疑うようなつらいものだったと思う。

だから今回は本気で、6位でも、5位でもある可能性があると思っていた。だから早い順位発表からすでに怯え泣き続けていた。もし6位だったどうしよう・・・落ちることの恐怖は人を死に追いやるほどの絶望を生み出すから。しかしふたを上げれば1位だった。彼女は心底嬉しかったんだと思う。あの演説はまさに無我夢中のものだった。

今回の一位はいままでと違う意味だったと思う。一昨年は、当然1位で「私がいなければAKBが成り立たない」だった、今回の一位は、一位でいさせてくれてありがとう。「私に居場所を与えてくれてありがとう」だったと思う。

だから大島優子にも素直に慣れたんだと思う。大島も困っているだろう。素直に甘えられて。それでは実年齢から、頼りになる姉と、かわいい妹になってしまう。負けた大島はそう簡単に割り切れないだろうが。




なぜ柏木由紀は大躍進できたのか


柏木由紀の大躍進の理由は、今回の前田、大島、柏木の三強争いにしろ、なんだかんだいってチームの顔は人気が出る、ということ。NMBからもキャプテン山本彩が1人飛び抜けたし、これってコミュニティ型アイドルの特徴だと思う。個人戦なんだけど団体戦要素が高くなる。

そしてチームBは、まゆゆ渡辺麻友)でなく柏木がチームの顔になったということだ。まゆゆはチームBのエースなら、本来は前回から3位をとらないといけないかった。キャラにくせがあるせいか、結局Bチーム票は柏木に流れた。柏木に三位で一番ショックなのはまゆゆだろう。彼女の演説に感情がでなかったのは、悔しさを押し殺していたからだだろう。実質、真の交代劇はここだったと言える。




コミュニティと経済競争の絶妙なバランス


モーニング娘とAKB48の違いは、その開放性にある。モーニング娘は一つの事務所だから競争はモーニング娘と他事務所のグループで行われるが、AKBは競争原理をAKBの中に入れた。AKBメンバーはそれぞれ所属する芸能事務所が違う。だからAKBの中で、経済競争が生まれる。AKBという場の中で、事務所込みでそれぞれが切磋琢磨する。

だからといってAKBの中でどろどろの競争が行われているわけではなく、より重要な単位として、AKBの中ではチームが分かれている。メンバーは人気が出れば事務所に所属するがその前にチームに所属する。そしてAKB劇場で公演を行い、それぞれにオタクがついて一つのコミュニティを形成している。

単に事務所の力で競争しても人気が上がらない。特に総選挙というオタクの投票は、コミュニティが重要であることを示す絶好の機会だ。マスメディア的に1位の前田が大島に負け、売れっ子の板野友美が8位に順位を下げる。そしていいとものレギュラーである秋元才加に到ってはメディア選別にも入れない。

総選挙はたえずAKBがオタクを含めたコミュニティが中心であることを知らしめる。またそれが高い購買力を生み出し、経済競争を活性化させる。AKBというビジネスモデルではチーム別のコミュニティと事務所別の経済競争のバランスがいまのところうまく回っている。




メタAKB指原


テレビみて思ったけど、やっぱりさしこってAKBでも特別な位置にいるよね。AKBのメンバーなんだけど、AKBのファンという、メタAKB。これってかなりおもしろいと思う。そしてメタ位置はコミュニティとの関係で生まれる。ファンとAKB、さらにAKBコミュニティと外部(一般人)の関係でうまれる。それらを繋ぐ媒介の位置だ。

一番近くでAKBを見守るAKBファンであり、もっともファンに近いAKBメンバー。人気の中心がブログであるのもうなずける。ようするにブログ「指原クオリティーは単にAKBメンバーのブログではなく、もっともAKBに近いAKBファンのメディアだからおもしろい。

その意味でも、今回の9位というのは絶妙なポジションだと思う。神7以上に組み込むと、あまりに中心に入りすぎて、メタAKBとして俯瞰してAKBを見られない媒介の位置を失う危険があった。




クール指原


いつのまにか、メタAKBのポジションを獲得することで、AKB、そしてそのファンの中で、指原はなくてはならない存在なっていると思う。結局、タレントというのは立ち位置の椅子取りゲームなわけで、AKBもキャラの椅子取りゲームが行われている。でもさしこのメタAKBの位置は、簡単に真似することはできないポジションだ。

さしこは、根っからの広報者なんだと思う。好きな者に没入しつつも、いつもどこか冷静に回りを観察して、整理して伝えようとする。そのためには、どこか醒めていないといけない。秋元康が、さしこが放送作家になれるといったのも、あながちネタではなく、さしこには根っからの醒めた目線があるからだね。自虐キャラも、言わば冷静に自分のことを分析している知的な面の表れなんだよね。

基本的に人気のでるアイドルは天然でベタだ。そのベタさ(無垢さ)にファンは感染して熱狂する。でもそれだけじゃ、ひねりがなくて飽きてしまうところがある。そんなときに、指原の、ちょっと屈折した自虐さや醒めた分析は、王道ではないが、AKBの深みとなっておもしろい。




芸能界のキャラ椅子取りゲーム


報道で、指原大躍進はあまりとりあげられてない。残念な気はするけど、この激戦で9位はものすごいことだと改めて思う。この九位の意味をオタも理解できてないと思う。ようするに八位以上の誰ともキャラがかぶってないってこと。

たとえば前田、大島、柏木競争が盛り上がるのは、確かに一位争いではあるが、多分にキャラがかぶった、キャラ取り競争の意味がある。正統派アイドル、グループのエースの席取り。だから大島の負けは結構きびしい。正統仕事はやはり前田に流れるから。

だから実は8位に後退した板野はそれほど問題じゃない。板野は女子のカリスマというかぶらないキャラを確立しつつある。たぶん仕事は安定して変わらないだろう。篠田麻里子もそうだね。芸能界全般で重要なのはいかいにキャラ1位をとるか。




AKBバラドルキャラ1位獲得の意義


芸能界全般で重要なのはいかいにキャラ1位をとるか。で、さしこだけど、今回上位とかぶらない位置まで順位を上げたことは、実質的にはAKBのバラドルキャラ席一位を獲得したということ、確固たる地位をしめつつあることを意味する。これってものすごいことだよ。バラドルって実は正統派より幅広いし、息は長いし、仕事多い。

メディア選抜にもはいれば、実はそれ以上の順位はあまり重要ではない。そもそも短距離と長距離選手が競争していようなものだから。今回の9位はほんと意義深い。

総選挙の晩の有吉AKB共和国の生放送もある意味、さしこの祝勝会のようだった。スタッフもバラドルキャラ一位と仕事できていことに誇りに思ったと思う。たぶん小嶋陽菜の上位より自分のことのようにうれしかったと思う。

このようにキャラ一位になるとさしこを中心とした環境がつくられる。前田も板野もそのような環境を作りつつあり、彼らに祝福されていと思う。1位前田、2位大島の太田プロは大喜びだろう。そして今後も前田を一番押しで戦略を練るだろう。大島はマネージャーと2人で過ごしていたらしいが、二番手キャラで、環境が定まらずにいるようだ。

最後に告白。ボクは一票も入れてません。どーん



第3回AKB48選抜総選挙結果


1位 前田敦子 (AKBチームA 2−1)139892
2位 大島優子 (AKBチームK 1−2)122843
3位 柏木由紀 (AKBチームB 8−9)74252
4位 篠田麻里子 (AKBチームA 3−3)60539
5位 渡辺麻友 (AKBチームB 5−4)59118
6位 小嶋陽菜 (AKBチームA 7−6)52920
7位 高橋みなみ (AKBチームA 6−5)52790
8位 板野友美 (AKBチームK 4−7)50403
9位 指原莉乃 (AKBチームA 19−27)45227
10位 松井玲奈 (SKE48チームS 11−29)36929
11位 宮澤佐江 (AKBチームK 9−14)33500
12位 高城亜樹 (AKBチームA 13−23)31009




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*1:画像元 指原莉乃オフィシャルブログ「指原クオリティー」 http://ameblo.jp/sashihara-rino/