なぜ指原莉乃の強さは安定的なのか



なぜさしこは選挙には強いのか


AKB運営には、握手権、グッズなど各メンバーの売上の様々な年間データが蓄積、分析されているんだろうけど、AKBオタならわかるように決してさしこは1位ではない。5番目ぐらいだろう。だから今回の結果、2年連続速報1位からも、明らかにさしこはなぜか選挙には強いといえる。なぜさしこは選挙には強いのか。

では逆にさしこの強みはなにか。おそらく社会的知名度はAKBの中で飛び抜けているだろう。いいともに3年近くでて、ピンでのテレビ露出も断トツ。AKBでは唯一のお茶の間の常連と言える。さらにはあのスキャンダルは一気に知名度を引き上げた。たぶん「あの事件起こした子」で、AKBなんかほほ知らないがさしこだけは知っている人は多いだろう。

これから想像すると、握手会にいかない、写真集も買わないがCDぐらい買うライトファンの投票券が、せっかくお祭りだから総選挙にいれてみよう的に、さしこに流れていると考えられないだろうか。これなら中国砲より、選挙での安定したさしこの強さを説明できる。そもそも中国でさしこだけが強い理由は見当たらない。




ヲタとライトファンのダブルエンジン


ただこの説明にも問題はある。ならさしこの次に知名度が高いこじはるはなぜ苦戦するのか。大家の報われなさは?知名度が高いほど順位が高いわけではない。

さしこの強みは、ベスト5に入るほどにはオタを押さえてること。明確なデータはないが、さしこオタの年齢層は高いと言われる。彼らが潤沢な資金をもって、いざというときには弾を打てる。さらにオタの一部はリノガワと呼ばれる社会的、経済的に高い隠れオタがいることは知られている。ようするに、太オタとライトファンの両輪で駆動していることが、さしこの選挙での安定した強さを支えているのではないか。

おそらく前田と優子ともその強さにはダブルエンジンが働いていたと思う。オタはもちろんライトファンも一定数抱えていた。昨年、さしこはオタエンジンで優子に勝てなかったが、ライトファンエンジンでカバーしてぶっちぎった。去年のさしこのぶっちぎりは、実質ライトファンエンジンがはじめて、オタエンジン並みに駆動した瞬間だったんだろう。そうじゃないと、あれだけの大差で優子に勝てない。




さしこが目指すアイドルエンターテインメント


この意味は大きくて、AKBは国民的アイドルになったと言われながら、基本は握手会、グッズ販売などオタ資金に支えられているわけで、さしこはいわばもうひとつの資金源をつかんだことになる。

さしこはこれを十分わかっていると思う。博多HKTに展開している。指原劇団公演と言われたさしこ色が強烈にでた今年のHKTの九州ツアーからの全国ツアーは、いままでのAKBコンサートとは違い、誰でも楽しめる演出が多く盛り込まれた新境地だと言われて大好況だ。まさかまさかのモー娘曲でスタート。大喜利、コント。懐メロ。お得意の爆笑MCなどなど。

ここまで来るにはそれまでの下ごしらえがあった。HKTは他のチームとは違い、W松井やさやみるのような飛び抜けたセンター作りをしなかった。実質センターさしこを中心に、さくらとはるっぴ、もりぽとなつ、しげとちょり、めるとみお、なこみくなどニコイチで、シンメトリー構造をつくり全体として魅せるよう作り上げてきた。それが今回のツアーで開花した。

これには、博多という地のりが悪く、オタ資金が集めにくい環境で苦戦している事実も影響しているだろう。あらたな資金集めのために、さしこに得意にライトファン資金を狙う戦略は必然と言える。さしこが目指すのは、いままでの太オタだけでなく、みんなが楽しめるアイドルエンターテインメント。

暇が多いというのも幸いしてるんだろうが、そのためにメンバーのレッスンを重視している。単に年齢がいってオタが離れると捨てられるのではなく、エンターテイナーとして育て、エンターテインメントとして楽しめるファンも育てる。そんなさしこアイドル劇団を目指してる。さしこにとって総選挙はただの通過点にしかすぎない。さしこの強さはこんな夢に魅せられてダブルエンジンが力強く駆動してからなんだろうね。