なぜ日本人の格差は小さいのか

pikarrr2015-03-15

一番、ピケティに反発する国


日本では遊んで暮らす文化がない。世界的にはそれが目指すべき最高の状態なのに。だから格差が広がらないというのはある。金持ちになったからなに?目指すのは金持ちになることじゃなく、尊敬される仕事をすること。

オモテナシ文化は、サービスを互いに贈与しあう文化だから、サービスを金と等価交換することとは真逆。だから日本人はチップを払うことに後ろめたさを感じる。西洋は、エコノミークラスとファーストクラスという金の差でサービスに差を付けることが大切。日本のおもてなしは、エコノミークラスだろうが、サービスする文化。

豊かになり遊んで暮らすことが、最高地点と考える西洋人は格差は広いほどよいだろうが、みなが役割を果たすことを最高地点と考える日本人では格差は広がりにくいだろう。一番、ピケティに反発する国。




日本は世界的にもラッキーなポジション


日本人は、疑似単一民族で労働力を補完しあう文化がある。確かに身分があり、搾取はあるが、縦の関係とともに、自ら労働力を役割として提供しあう職の横の関係が強くある。大陸では、労働力の奪い合いで、民族戦争が耐えない。奴隷文化が縦の関係として強く働く。

日本が島国という閉鎖空間で、民族闘争による征服がなかったからだろう。本当は島国でも、近くに世界の大国中国があったので、征服されてもよかったんだが、ラッキーなことに中国と日本の間に朝鮮があった。朝鮮は何度も中国に征服されているが、やっと朝鮮を征服して、日本までなかなか進まない。でも文化的に、世界の最先端の中国文化が朝鮮を経てやってくる。ほんとに日本は世界的にもラッキーなポジションにあった。




赤穂浪士と日本人としての役割


家康がなぜ江戸時代に武士に儒教を導入したのかは、血の気の多い武士たちに、戦乱が終わったあと、秩序を教えるため。だから儒教では、殉死とか、赤穂浪士の仇討ちなど、論理性のない感情的な行為は罪になった。赤穂浪士の仇討ちは、仇討ちとして認められていない。だから討ち入りの後、全員処分される。儒教家からも、秩序を乱す行為として批判されてる。でも、赤穂浪士の討ち入りのあとから、すぐに芝居になって、いまでも日本人の大好きな、忠義の物語になっている。

そこで疑似単一民族思想を支えてるのが、血とか曖昧なものではなく、職。みんなが職という役割を果たしていること。日本の権力者は、西洋の権力者みたいに、富を徴収しても、遊んで暮らさない。民のためには働く。日本人は命をかけても役割を果たす姿がすきなんだろうな。単に卑近な上司のためということではなくて、日本人としての役割。




世代間闘争と浅い外来文化かぶれ


月神社、葬式仏教、クリスマスキリスト教、恋愛プロテスタント。この日本人の節操のなさは、いまに始まったことではない。たぶん日本人の島国が影響してるんだと思う。閉塞空間の疑似単一民族だから、外来文化が大好きなんだよね。征服された経験もないから、外来文化に洗脳されるのも気にしない。定期的に流行りものに浅い感じでかぶれる。

ボクはここには世代間闘争があると思う。前の世代への反発として外来文化にかぶれる。いまはこんな文化が新しい。前の世代はもう古いよ。たとえば聖徳太子の時代に、仏教、儒教が入ってきたときも、旧文化との政治闘争があって、新世代が勝っていく。いまもあるよね。スマホとか、ハロウィーンとか。




日本の世代間の格差が問題でない理由


だから欧米と同じ基準で格差を語るとおかしくなる。日本は欧米ほど個人の自立を求めない。若い子供世代の貧困は、親世代の豊かさにパラサイトすることで補完されている。日本が家族を重視するための、経済のあり方。だから若者層は収入が低くても、親のすねをかじる。親もそれがうれしい。だから日本ではオレオレ詐欺が儲かる。

日本の世代間の格差が問題でない理由がまだある。日本ではとにかく高齢者の預金がとんでもなく多い。日本国債も支えている。じゃあ、子供世代は相続税を高くして、再分配してほしいか。逆、子供は親の財産を当てにしているわけだから、できるだけ相続税を小さくして、自分の戻ってきてほしい。相続税上げて国が徴収してみんなにばらまかれると困る。