大きな神話

大きな神話


世界は痕跡である。

痕跡とは、誰かの何かの意味である。

誰かとは記号コミュニティに帰属する他者であり、限りなく私である。

痕跡とは、他者からの呼びかけであり、主体は他者へ心象同期する。



他者への心象同期は、他者との同意と、他者との差異を生む。

他者との同意は、確定記述化される言語意味である。

他者の同意は、主体のコミュニティへの帰属を確認し、主体の行為を可能にする。



他者との差異は、確定記述化されない余剰である。

余剰は、埋まることがなく、心象同期を繰り返る原動力である。

余剰は、他者の単独性を捏造する。

もっとも大きな余剰は、大いなる神性を捏造する。



捏造された他者の単独性は、主体のコミュニティ内での偶有性から単独性への転倒を起こす。

偶有性とは、コミュニティにとっての必要であるが、私でなくてもよい位置である。

単独性とは、コミュニティにとって必要であり、私でなければならない私である。

単独性とは人の究極的な目的である。