なぜグリーンニューディールは必ず失敗するのか 環境対策時代の陰鬱なイメージ2

pikarrr2009-07-17


sakura-plan 2009/06/23 22:08 *1


第4の波は、どのようなものになるのか気になります。保護主義では第2の波にもどるだけだし、となると、国家の概念が消える「脱国家社会」なのかもしれません。(個人中心の社会)どうなのでしょうか。




グリーンニューディールは必ず失敗する


この不況のなか、環境対策が急浮上しています。グリーンニューディール。良いタイミングですね。自由主義市場が金融政策で挫折して国家が盛り返す。これは景気回復のための一時的なケインズ的政策と考えられますが、ここに環境対策が絡むことで国家主導は今後長引くかもしれません。

グリーンニューディールの問題は、環境対策の方法を国家が決定して市民が自由に選択ができないことですね。ハイブリッドカー太陽電池への補助金、家電のエコポイントなど。補助金は税金なので国家が国民から環境対策費を徴収し、対策方法を選択し投資するということです。国民は選択されたものに従うだけです。

政府主導は、限られた産業が潤い、格差を生み出し、贈賄の温床になり、技術的な成果に対する効率が悪いのがいつものパターンです。グリーンニューディールでもくり返されることは確実ですが、それでも環境対策を市場の自由競争に頼ることができないでしょう。自由競争にすれば環境対策の分をコストダウンして安く売り、目先の利益を求めてしまうからです。だからどうしても国家主導にならざる終えないのです。ここに環境対策のジレンマの一つがあります。




環境対策は「第四の波」


「第三の波」が市場重視の自由主義経済を基本としているとすれば、環境対策が今後、ますます重視され、そしてすでに2050年目標50%減という目標があるように長期的に長引くならば、経済は国家主導に転換されざるおえず、自由主義経済からの長期の大きな転換であり、社会全体に及ぼす影響を考えれば、「第四の波」と呼んでもよい事態かもしれません。

でも「第四の波」はそれだけでは終わらないでしょう。このままでは環境対策はまず失敗します。新たなイノベーションとして景気対策としては成功するかもしれませんが、環境対策として成功することは困難だと思います。ではどのように乗り越えるのかというときに、新たな「第四の波」のビジョンが見えてくるのかもしれません。

グリーンニューディールが目指すのは、環境関連産業をのばすことで経済成長しつつ、効率アップで環境負荷を下げるというですが、いままでの経験からいっても、効率化は低コストによって普及率を上げて、効率以上に機器を増やすので、全体の環境負荷は増えます。予測計算では、効果がある程度に機器の増加を見積もるので当然効果があるように算出されます。日本ではずっと省エネを進めてきましたがCO2排出量は増え続けています。

そして実証されたもっとも効果があった「対策」は経済活動を抑えることです。現にこの不況でCO2の排出量は激減します。家庭に環境対策の負担を求めるならば、家庭にも選択肢を与えるべきです。たとえば効率のよりエアコンへ買えかえるよりもエアコンの使用を抑える方法もあるのです。それでも快適に過ごす生活の知恵。そして経済成長が鈍り収入が減っても生活する知恵。自給自足率を高める。

このように経済成長の抑制、自給自足が市民による自主的な活動として起これば「美しい」ですが、歴史的に見て経済の抑制には強い統率者が求める場合が多い。これもまた「第四の波」の可能性です。どうなることやら・・・
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*1: 環境対策時代の陰鬱なイメージ http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20090617#p1のコメント欄より

*2:画像元 http://plaza.rakuten.co.jp/naam777/diary/200902180003/