なぜ日本人は高機能製品を作るのか

pikarrr2010-05-04

日本の高機能製品は誰のため?


欧米製品ってシンプルで丈夫だね。欧州では日本の家電は売れないらしい。シンプルで丈夫で安いスタンダード品が売れる。メーカーも開発や設備投資をかけずにのんびり商売する。

逆に日本は毎年のモデルチェンジのための投資を回収するためにさらにモデルチェンジをくり返す。そして製品はどんどん高機能に品質管理はどんどん難しくなる。このような高い技術は日本しかできないと言うわけだが、それを誰が求めているのか。

日本製品の高品質って高機能を管理する技術で、そもそもいらない機能を積み上げて繊細にしているわけだから、いわば余計な高品質、そして高コストになっている。




日本人はイノベーションのジレンマ好き?


日本は明治以来欧米追いかけ型の国家体制できた。下からの自由化ではなく、国が制度をつくる。自由競争という面倒より財閥系の優遇で突き進む護送船団。

だからいざ欧米に追いついてしまうと、システムは空回りする。強力なエンジンの車をローで走らすようなものだ。重箱の隅を突くような労力のかけ方になり、燃料費は変わらないが利益は上がらない。

日本人は仕事が生きがいだから開発せずにおれない。開発が過去の積み上げだからイノベーションのジレンマに陥る。というが日本人はイノベーションのジレンマを求めている。そこに仕事がどんどん生まれるから。




日本人の様式美とガラパゴス化


もうやることがないが力が余ることからくる過剰性は先進国に特有であるが、日本は特に過剰だ。それが高度な消費社会に表れてる。

何度も例にあげたが、日本のトイレ周りの商品群の豊富さは世界に例を見ない。ウォシュレットから健康管理機能、洗浄道具も洗剤からたわしから高度に専用化が進んでいる。トイレクイックルはウェットティッシュであるがトイレに捨てても水に溶けるようになっている。

かつてコジェーブはアメリカに生まれた消費社会をみて人々は充足し動物化するといったが、後に追加で別の在り方としての日本人の様式化をスノビズムとして上げた。日本のトイレ商品群はジャパンクールの一つと言えるだろう。

このガラパゴス化は一つの様式美なのか。江戸時代にも連続性が見いだせるとすればどうしようもない日本人の気質なのか?

日本人気質と形而上学へ棚上げにしたくないところだが、もしそうならばこれからは鎖国江戸時代以来400年ぶりに日本人が護送船団でなく世界に乗り出す時代になるのかもしれない。

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