なぜ電子書籍は失敗するのか

pikarrr2010-05-10

紙書籍 × 電子書籍 × ウェブ


電子書籍自体はいままでも日本製品を含めていくつかの製品化が行われてきたが、最近盛り上がっているのは、アイチューンなどの音楽課金システムの成功例があり、次は書籍だ!と覇権争いが起こっているというわけだ。電子書籍は端末そのものが重要ではなく、いかに豊富なコンテンツを安価に迅速に提供できるかに、かかっているだろう。

日本で先行する音楽課金を見た場合に音楽業界の売上げは降下し、必ずしも成功していないようだ。その理由の一つにネットで違法に音楽がばらまかれているためと言われている。

書籍の場合はさらにネットとの競争はきびしくなることが予想される。軽いテクストファイルは違法コピーされやすく、音楽よりも違法コピーが広まる可能性がある。それ以上に合法でもネットにはすでにテクストに溢れているために真にウェブが競争相手になり競争は激化するだろう。




電子書籍ロングテールを救うか


ボクが電子書籍に期待するのはなんといっても専門書である。高価で、すぐに廃刊になる専門書は、ロングテールに相当し、デジタル製品の得意分野ということになっている。しかし現実にロングテールで成功している例は少ないようである。

逆にデジタル化のコストを理由に排除される可能性を心配している。アナログレコードからCDや、ビデオからCD、CDからネット配信などのメディアシフトの過程では多くの作品が売れる、売れないで選別され排除されるのが現実である。

電子書籍で期待される出版社を通さない作品の流通はどれほど行われるだろう。音楽の場合はほとんど成功していない。人気アーティストが独自に音楽を配信している例は少ない。いまの配給に大手音楽メーカーが通るのは広報とともに、セキュリティを担っているためだろう。




電子書籍は上からの改革


電子書籍の場合はいままでの大手出版流通からのシフトが話題になっているが、真に期待されているのが、電子書籍ならではの独自のコンテンツだろう。しかしいま電子書籍を推進している人々にはあまりそのような発想は薄いようである。

先行しているケータイ用のコンテンツがケータイ小説など独自の分野を生み出すという下からの改革によって成功したのに対して、電子書籍は大手メーカーによる上からの改革であるだめだろうか。

ipadkindleだとか騒ぐ奴らはPCな人ばっかりなので、ケータイコミックの存在のでかさを知らない。それは日本には6年前からあるでかい600億円のガラパゴス電子書籍市場であり、月に億の売上を出しているサイトが何社もあることを知らないで電子書籍が黒船のように語られる。


Togetter - まとめ「ケータイコミック関係者による最近の電子書籍ブームへのぼやき」 http://togetter.com/li/19406


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