なぜ電子書籍は失敗するのか 

pikarrr2010-05-11


「誰でも」が金になったためしなし



pikarrr ■なぜ電子書籍は失敗するのか http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20100510#p1


umakizon: おっとこういうハナシも。


umakizon: 流通コストの無料化で誰でも発信できるようになる、という側面については音楽よりもテキストのほうがより敷居は低くなるのかなー。どうなんでしょ。


pikarrr: 「誰でも」が金になったためしなし


umakizon: 音楽についてはまさにそうなってます。


pikarrr: ネット発の音楽って、初音ミクぐらいかな。


umakizon: ネットから火がついた、という意味ではそうなんでしょうかね。あんま知らないんすけど。


umakizon: 音楽配信自体、「着うた」というガラパゴスと、あとはすでに十分な固定リスナーをもったアーティストが独占している状態でしょうか。


umakizon: 楽曲配信が始まるとき「もはや誰でも音楽を発信できる理想的な環境」というマジックワードがあったわけですが。。


pikarrr: 結構それはネットのマジックワードで、ネットの黎明期にはホームページ開設すると「もはや誰もが世界へ情報発信できる。」と英文の自己紹介文をいれたとか。


pikarrr: ようするにより発信が安価で容易になるほど希少性が薄れて価値が下がるというネットの経済(エコノミー)の基本があるわけですが、それでも奇跡は起こるはずと人々をネットへ引き寄せ続ける神話ですね。


umakizon: はは確かに。コンテンツのデジタル化による「これからは誰もが発信できる」は幻想!






ケータイ小説は市場を生み出したが電子書籍は利権争い



umakizon: コンテンツのデジタル化は、ユーザには「これからは誰もが発信可能」幻想を、企業には「新たなマーケットが出現する」幻想を与える。


pikarrr:  いろんな意味でバブルな世界だと思いますが、株式市場のバブルはとうに弾けて多くの企業は静観でしょ。電子書籍騒ぎはどこか懐古的に寂しいですね。騒いでいるのがおじさんが多いのもそのせいかと。


umakizon: コンテンツのデジタル化が雇用でも増やしてくれればまだいいのですが笑。製造・流通コストが低くなればその価値も低くなるというエコノミーを考えるなら、おそらくコンテンツのデジタル化は雇用を増やさない。


pikarrr: 局所的には人件費を省くことで低コスト化するので雇用は増やさないでしょう。大局的には新たな市場を創出することで雇用を生み出す。ケータイ小説は市場を生み出しましたが、電子書籍は紙媒体利権を奪おうという大人の事情の要素が大きいので・・・


umakizon: ああ。ケータイ小説のようなまったく新しい市場は生まれえますね。しかし現在は紙媒体が持っている既得権の奪い合い以外ほとんど話題になってない。なぜでしょう?既得権の奪い合い自体は何も生み出さないことは皆よく知っているだろうに。


pikarrr: 先に書いたように、大企業アップルのアイチューンの二匹目のドジョウだからでしょ。ケータイ小説はネットユーザーによる下からの改革だが、電子書籍は利権を狙ったプラットフォーム抱え込み競争という上からの改革。


umakizon: 本当に新しいサービスは突発的に生まれるものでしょうしね。だから利権やシェアのようには「展望」を語れない。


pikarrr: 確かに。ガラパゴスとキャリアの抱え込みが非難されるケータイだが、一気に爆発的に普及したのも、写メが普及したのも、着メロもみんな女子高生とかの下からだ。


pikarrr: ケータイの下から革命の奇跡を支えてたのは隠されて不平等料金体系だったんだろうな。若者は安価につぎつぎ機種を替え楽しめた。それは機種を替えない大人が機種代を越えても毎月機種代を払わされることで成立してた。この隠れた若者優遇がケータイ革命を生んだ。


pikarrr: それが暴露されて是正されることで、逆に若者はケータイが高価で替えられなくなった。でも着メロ、ケータイ小説、プロフなどコンテンツ革命が起きてるのか。日本のケータイコンテンツ市場一兆円って世界に例を見ないからなあ。
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*1:画像元 モバイルコンテンツ関連市場 http://www.cyberagent.co.jp/service/archives/mobile.html