文化は振動によって伝達されていく
動作の同調による振動圏
NHKの実験バラエティ番組「すイエんサー」(http://www.nhk.or.jp/suiensaa/)の中で面白い実験をやっていた。仕切りの前で被験者に足踏みをさせる。そして仕切りをとると、もう一人の被験者が足踏みをしている。始めは当然、二人の足踏みはバラバラであるが、しばらくすると自然とあってきてしまう。では意図的にずらすように指示するがうまくできない。この実験は人は相手を見ることで基本的な動作のレベルで同調してしまう特性があるということを示している。
ボクたちが日々を他者に囲まれて生活しているということでは、しらずしらずに同期しているということだ。たとえばこのような同期を波のようなものと考えると、視線を通して波の振動は絶えず人の間を伝達されてつづけているということになる。
また人が生活しやすいように生活環境をつくることは、波を円滑に起こすような場の形成を意味する。すなわち波は生活環境にも共鳴し、その場にいる人はまた環境によって波が伝達されやすい状態に置かれる。このようにして生活場は一つの振動圏が形成されているということだろう。
振動圏としてのローカル文化
このような同期を軍隊のような規律統制と考える必要はなくて、波は波を交差することで新たな波を生み出していく。たとえば1/fゆらぎとか、フロー体験とか、同期の中のある離脱が心地よさ、楽しさを生み出すといわれている。同期とはこのような遊びも含んだ上での同期だろう。
たとえば会話するということはまさにこのような同調が行われているのだろう。面と向かって話すことでなにか解り合えるようなことだけではなく、そこでは呼吸から言い回しから同期が起こっている。このようなコミュニケーションの振動場の中で、ローカルな文化は生まれ、伝達されていく。
参照
言語ゲームというリズム その1 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20090825#p1
言語という人間のリズム その2 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20090829#p1
「言語ゲーム」のグルーヴ その3 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20090906#p1
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*1:画像元 拾いもの