なぜ日本人は中国人よりリベラル(世界共通標準)なのか

pikarrr2010-12-22

中国人というタイムトラベラー


中国の遊園地でガンダムモデルが作られて問題になっている。どう見てもガンダムなんだがオリジナルと言い張る。そこには悪意というより無邪気さ、稚拙さがある。中国人の反応を見ていると狭い世界に閉じこもった井の中の蛙という印象を受けて、真実を伝えたていらいらいする。ガンダムでないといいはる滑稽さ、世界中が笑ってるぞ!と言いたくなる。

たとえばこのような状況は日本で少し前にあった食品偽造の中小企業の社長に似ている。食品偽造の記者会見での社長はまるで過去からタイムトラベラーだ。戦後から一代で会社を成功させたワンマンでその筋の実力者。仕事熱心で技術表彰うけたアイディアマン。彼には罪悪感はなく、技術改良の一つであった。記者会見でことの重大さがわからず自分の理論を無邪気に話す。おそらく事前に周りの誰が忠告しても彼には重大さは理解できなかっただろう。中国人たちの様々な行動を見ていると日本人は同様な異次元観とコミュニケーション不全を持つのではないだろうか。




「日本人の方がリベラル(世界標準価値)である。」


日本の方が「正しい」のは、国際社会基準に照らし合わせてのことだ。「日本人の方がリベラル(世界共通標準)である。」著作権の侵害は罪であり、ガンダム像は明らかにそれに値する。中国人の無邪気さはリベラル(世界標準)な教育を受けていないことからくるだろう。

リベラル(世界共通標準)はたえず変化するので教育し続ける必要がある。日本も少し前まではものまね猿と揶揄されるコピー天国だった。また最近なら禁煙やセクハラは比較的新しい基準だ。中国ではこれらのモラルも低いことが予想される。

日本が遅れているのは女性の社会進出である。先進国ではダントツに悪い。いまもそうだが女性が社会的な地位を得ることに抵抗が大きい。それに比べて、中国では行政や企業の重要なポストにおばちゃんがいて驚く。日本では女性が重要ポストにつくのがめずらしいが、そのような女性は明らかに普通のおばちゃんと違う。舐められないために着飾りを含めた気合いがいるのだろう。中国では普通のおばちゃん部長など普通だ。

共産主義は、民族や、貧富、男女の差をなくして皆が一労働者として働く究極のリベラル(世界共通標準)をめざす。だから中国は共産主義であり女性も働くのが当たり前だ。しかし知財権などいまの世界標準である資本主義的なリベラルとは異なる。




日本人はリベラルに順応し中国人は作り出る


最近の日本では、国際的にロリ規制がきびしくなるなかオタク漫画がリベラル(世界共通基準)とぶつかって非難を浴びている。外国人から見るとオタクロリ漫画の反乱は理解できないのだろう。オタク文化はそもそも女性を物としてみる男尊女卑思想を根に持つことから、女性の社会進出の低さと同じ、日本の異次元性なのかもしれない。

反リベラルな異次元性はまた民族文化の独自性とも言える。たとえばイルカ漁や鯨漁批判は日本人は簡単にリベラルに迎合出来ない、と考えられている。そもそもリベラルには世界を共通の価値に押し込める暴力がある。

それでも、日本人はリベラルによく順応している寛容な人々だと思う。リベラルには「世界に標準的な価値があり、みなか共有している」という漠然とした信用がある。日本人はリベラルに順応しやすい一つの理由は、アメリカがリベラルをつくる中心にいるからだろう。そのために自ら国際社会に訴えリベラルを作り出すことにコミットするよりも、寛容に受け入れる傾向がある。

今後、中国人が教育されて徐々にリベラルに寛容になることは必ずしも期待出来ない。彼らはリベラルを作りだすこと、すなわちアメリカと対峙することを指向している。

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