なぜAKB48は日本人的なのか

pikarrr2011-01-23

AKB48のグループへの忠誠心


根がミーハーなので、最近AKB48をYouTubeで動画見て楽しんでいる。今月はじまった「さしこのくせに」。AKBなのにいじられキャラっておもしろいぜ。



AKB48はこれだけの人数がいて、メンバー自体も誰が誰かわからないだろう。数人のアイドルグループのようにグループへの帰属の思い入れよりも、個人が重視してゆるいグループ体なんだろう。だから内部も実は競争がはげしく、仲違いも多いんだろうな、と思っていた。

しかし動画を見て、彼女たちの生の声を聞く(撮影されているのだから当然、フィルターがかかっているわけだが)と、おどろくほどAKBというグループへの帰属意識と忠誠心が強くてびっくりした。




AKB48の魅力は結束の強さとサービス精神


その理由を、ヲタでもないボクが考えると、一つは彼女たちが自らの劇場をもって、マスメディアとは別にファンの前で連日講演を行っているために、ファンも含めた独自のコミュニティ(共同体)が生まれているのではないか。

特定の人気メンバーをフォーカスするマスメディアでの露出とは別に世界観が生まれている。マスメディアでは注目されないメンバーにも「押しメン」するファンがいて、劇場世界の中で一つ居場所を見いだしている。さらにはそのような独自の世界は、彼女たちは少し前まではエリートアイドルではなく「地下アイドル」だったのであり、十代の頃から逆境を共にして育ってきた絆を元にしている、などと考えてみた。

AKB48の魅力は、メンバーたちとの結束の強さとともに、苦労の中で培ったプロ意識とサービス精神にあると思う。人気オーディションによって選ばれたエリートアイドルである最近のハロプロ系のアイドルの生ぬるさとは違うものを感じる。




AKB48の日本人的けなげさ


その一方で、AKB48を見ていると感じる気持ち悪さが残る。韓国アイドルグループKARAが金銭トラブルで解散の危機らしいが、彼女たちの金銭的な待遇はAKBメンバーたちと比較して悪いのだろうか。

AKBのグループへの忠誠心、低賃金でもグループのためだからと自主的に、メンバー同士で声を掛け合い働く姿はなんともけなげである。エンターテナーとして訓練されたプロ意識は高いのだろうが、社会人としての幼さも感じでしまう。女子校感覚ではしゃぎ、貧しいながらも楽しんでしまう。

大人たちに、「お前たち、天狗になるなよ。もっともっとがんばらないと人気なんかすぐに廃れるんだからな」と葉っぱをかけられる姿が目に浮かんでしまう。あくまで想像でしかないし、アイドルなんてそんなものといえばそれまでだが。

AKBには男女交際すると脱退しなければならない掟があるらしい。影で交際しているのだろうとも思うが、最近の交際疑惑への社会的なバッシングを見ると、そう簡単にできるものではないように思う。これって人権的に大丈夫なのだろうか。日本人以外でこのような掟を認める国って他にあるのだろうか。

決してKARAのようにAKBメンバーから反乱がおこることはないんだろうな、と思う。ファンたちもそんなことを望んでいない。逆に裏切られたと思うのではないだろうか。AKB人気はとても日本人の保守性、個人より集団、特にいまの閉塞した保守性ととてもあっているように思う。

KARA:リーダーのギュリ孤立か 「3人対2人」の分裂説も
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20110120spn00m200002000c.html

日本でも大ブレークした韓国のトップ女性グループ「KARA」が分裂危機に直面している。リーダーのギュリ(22)を除くメンバー4人が、所属事務所に対して専属契約の解除を申し出た。

4人は事務所が「地位を悪用し、やりたくない仕事を強要して人格を冒涜(とく)した」と主張。「細かい内容を説明せずに契約を無断で交わし、精神的苦痛を味わった」という。信頼関係を損なう事例が多数あり「事務所はKARAを金もうけの手段として利用した。メンバーの挫折感が大きいため、関係を維持するのは不可能」としている。

共同電によると、一部韓国メディアはKARAが解散の危機を迎え、今後の活動にも影響が出ると報じた。