なぜ日本人に「黒船」は到来しなくなったのか 再び中国人にカブれる時 

pikarrr2011-01-24


島国日本にはたえず閉じた閉塞感がある。だから外来からの文化に飛び付きやすい。そのときに文化的侵略への恐怖がなくのんきだ。こののんきさは日本が単に島国だけではなく、中国と朝鮮という二重の防波堤に守られてきた歴史による。中国より向こうの侵略は中国が防ぐ、中国からの侵略は朝鮮が防ぐ二重の防波堤の向こうに日本はある。世界へむけた二重の防波堤は、日本に安全と閉塞をうみ、のんきさと好奇心を生んだ。

そして日本の閉塞した近親相姦的血は外来文化によって薄められて健全性を保つ。日本人の異常な外来文化への執着は日本人が生き残るための必然である。

また日本人の外来文化吸収にはパターンがある。外来文化は世代論として吸収される。新しい世代が旧世代を否定する形でその時代の外来文化は吸収される。「大人たちは古いんだよ!」というわけだ。また次の世代も新たに外来文化で前世代を否定する、というように非連続的に、年輪のように積み重なって日本文化はできている。だからいざ日本の文化とはどのようなものか、といわれると答えられない。


「なぜ日本人はこれほど外来文化にかぶれやすいのか」−pikarrrのブログ http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20101025#p1 




日本人の世代交代を生み出す原動力としての「黒船」


島国日本を閉塞からやぶり活性化してきたのは海外文化である。海外文化は「黒船」として日本に新たに空気を吹き込む。新たな海外文化にカブれる新世代が前世代に対する対抗として台頭する。すなわち海外文化は島国日本内に世代交代を生み出す原動力として使われてきた。

しかし最近の黒船といえば、韓流、アイフォン、ツイッターなどが上げられるがその特徴は若者というより、裕福な年齢の高い人に受け入れられる傾向がある。旧世代を破るような新世代の原動力として働きをしていない。




日本に内向する若者


その理由は一つに高齢化が上げられるだろう。数が少ない新世代は旧世代の前に萎縮してしまう。また旧世代は日本を世界有数な先進国に育てた自信をもち自らの強いポジションを保持している。

もう一つの理由として、日本が世界で有数な先進国になり学ぶべき文化がなくなった。請川ではなく自ら先導する立場になったことが上げられる。特に産業分野ではよく言われることである。

もはや日本は受信する側ではなく、発信する側に回った。若者がそのような高いプライドを持っているとは思えないが、海外への興味をもつ、衝撃を受けることがなくなっているように思う。このためか若者はオタク傾向として海外より日本に内向している。また草食系などと言われ、その活動も内向的と言われる。カブれる海外文化が見いだせず、海外文化を「正義」に旧世代を乗り越える力が生まれない。




日本人が再び中国文化にカブれる時はくるか


一つの過渡期であるのかもしれない。アメリカが衰退するいま、上昇しているのは中国である。古来から日本は中国に定期的にカブれ、新たな世代を生み出して新陳代謝してきた。その歴史はアメリカや欧州へのカブれの比ではない。

しかし現段階で日本人は中国文化にカブれるか。まだまだ中国は後進国であり、日本は受け取るものはない。これがいまの日本人の考えだろう。そこには、単に彼らが資本主義後進国であるだけではなく、近代以降の歴史認識があるのだろう。

産業においても、韓国、中国に追い上げられ、追い抜かれても、安い労働力などを理由にして、負けを認めない。このような日本人の高いプライドが日本人を閉塞に陥れているのではないだろうか。中国、韓国にカブれる新世代が台頭し、世代交代を生み出す時こそが、日本に「黒船」が到来し新たな夜明けがくるのかもしれない。しかしそれにはまだまだ長い時間がかかりそうだ。