なぜそれでも日本人は覚悟をもって脱原発なのか 東日本大震災

pikarrr2011-04-08

長く苦難の道が始まる超高齢社会日本


今回の件で日本人は電力インフラの重要性をあらためてしったが、まだことの重大さを十分理解していないように思う。原発がすぐどうこうではなく、今後、長期的に日本人が向かうだろう道を考えると鬱になる。

フクシマ後、各国の原発政策が問われるだろう。日本は脱原発を進まざるをえないだろう。現在の問題がいつ落ち着くか見えないが、数年に渡り日本人に不安を与え続けることは避けられない。また最近は地震があるたびに付近の原発の状況が報告されるようになった。原発とはもはやそのような存在であり、新たに建設はありえず、存続議論が活発に行われるだろう。

しかし脱原発といっても解は見えない。温暖化対策から火力発電を乱立させることは、長期的に考えても良策とは言えない。今後、分散化電源は増えるだろうが、簡単に安定した供給元と成りえない。

フクシマ前から日本の経済活動、特に消費は勢いを失っていると言われていた。様々な理由が上げられているが、大きな理由は世界で唯一の「超高齢社会」だろう。高齢化し成熟した社会では活力ある若者が減り、緩慢な高齢が増えて消費欲は冷え込まざるをえない。

そしてさらにこの震災である。長期的に電力不足は国内の生産を抑制せざるをえず、もの値段は上がる。それ以上に電力不安は人々の経済活動を冷え込ませて清貧生活を指向される。産業革命以来、経済成長することで社会を維持してきた中で、経済活動の停滞に解はない。いかに生きていくか解が見つからない長く苦難の道にならざるをえないだろう。




スマートグリッドはどこへ行く


チェルノブイリアレルギーもある欧州先進国も、脱原発議論が活発化するだろう。すでにドイツでは州議会選挙が行われ、フクシマの影響で環境政党が大躍進を遂げたという。

スリーマイルショックから立ち直りつつあったアメリカの原発建設再開も難しくなるだろう。リーマンショックからの復活のためのグリーンエネルギー計画の目玉はまさにこの原発復活にあった。原発による電力を中心にスマートグリットとして、分散化電源をネットワーク状に繋ぐ。さらに家電やインターネットまでもつないだ一大電気ネットワークの構築によって多様な需要を生み出すことを狙ったものだ。

グーグルやインテルのIT企業もこのような流れを次の流れてとして投資している。オバマが多額の補助金を投入している電気自動車にしろ、このような電力量増加と安定供給体勢があってこそだ。




日本は中国経済圏の隅にある貧しく汚染した島国になる 


対照的なのが中国だろう。中国には今後2020年までに60機近い原発建設の計画があるそうだ。フクシマの影響で見直しという話もあるようだが、止めることはないだろう。なぜなら急激な経済成長に対してすでに電力不足に陥っているからだ。

また中国はすでにアメリカ次ぐ世界第二位のCO2排出国である。国際会議では削減に非協力的だか、このまま増やし続けることができないことがわかっているので、削減の国内政策には積極的である。そしてクリーンな電力供給の目玉が原子力である。

共産党によるトップダウンの戦略から原発計画を見なおすことはないだろう。むしろフクシマは失敗例としての重要な手本となるだろう。同様に、グローバリズムの中で経済発展している国々が発展を継続させるには、原子力発電は必要不可欠だろう。

中国は単に先進国に追い付く域を越えて、さらに先をいく電気社会、そして環境社会を目指している。いまの流れで行けば太陽光発電につづき、電気自動車導入台数でも世界一になるだろう/せざるおえない。

太陽電池などでもそうだが、そこで生きるのは日本の技術、技術者である。良い技術が花開く場所を目指すのは仕方がないことだ。そして日本は中国経済圏の隅にある貧しく、汚染された国になるだろう。それでも、日本人は覚悟をもって脱原発を進めなければならない。




参考

東芝廃炉に10年程度の見通し、東電にプラン提出−福島第一原発
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aaM4MuDoafcA

原発緑の党」が大躍進=与党、歴史的敗北−独州議選
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201103/2011032800039

原子力推進国、方針変化なし エネ研が事故影響分析
 http://www.shimbun.denki.or.jp/news/energy/20110408_01.html


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*1:画像元 http://www.dwd.de/