なぜ笑顔は謎めくのか

pikarrr2013-02-04

なぜ何万の中から自分の子供が分かるのか


たとえばペンギンは何万羽という集団の中から鳴き声で自らの親子を識別をする。人にはどれもこれも同じ鳴き声にしか聞こえない。これをものすごい能力だという。しかし人は何万人いようが子供を顔で見分ける。人は顔(表情)に豊かなコミュニケーション法を見いだした。どの認識方法を発達させたかの違いだけだ。

人はわずかな顔の表情の変化で微妙な心理を表現する。微妙な心理を読む。そもそも表情は気持ちを他者に見せるために前面にある。コミュニケーションのためにある。特に笑いの表情はとくに人間だけが発達させた。すなわち特別なコミュニケーションといえる。




表情は〜のように見せる


笑いは他の動物にはない人間に特別な行為だ。他の動物も喜びの表現は体を使い表すことができるが、笑うという顔の表情を作ることができない。それとともに笑いは怒りや喜びの個人的な感情と違い、「喜んで」見せるのである。〜して見せる。これが人のみが可能なメタ認識である。

メタレベルの認識の一つとして自意識がある。ただ喜ぶのではなく、「喜んでいる」自分を認識する。私はいま喜んでいる。だから「私は喜んでいる」ように見せる、演技することができる。このような自意識をもつのは基本的に人間だけである。

人間の集団において、〜のように見せる演技はとても重要である。演技するとは本心と違うということではなく、あえて喜びを思えに表し、友好関係を築くというより高度なコミュニケーションである。人は笑顔によって豊かなコミュニケーションのために進化させた。




笑顔は謎めいている


動物と人との対比において原理的には考えれば、このように笑いはメタレベルといえる。しかしボクたちが笑うときに、いちいちメタレベルの認識を「意識して」笑うわけではない。すでに笑ってしまっている。なにせ人は生まれたときにすでに笑うことができる。

笑顔が喜びの表現であるか、喜びを見せるレベルであるか、考えているわけでない。本質的にはそこには違いはない。しかし動物に比べて豊かで複雑な表現「行為」を手にいれたことだけは確かだろう。笑顔は謎めいている。
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