「パシフィック・リム」、「風立ちぬ」鑑賞

pikarrr2013-08-19

パシフィック・リム」鑑賞


パシフィック・リム」鑑賞。最初から最後まで怪獣対ロボでなにも考えず見れて面白かった。まさに映画館で見る映画だな。

・怪獣はパトレーバー映画みたいだった。二人でシンクロするのは日本的。ロケットパンチ、胸ロケット、胸ビーム。ソード剣は最初からだせばいいのに。闘いがいつも嵐なのは、七人の侍的なのか。
・本当に怪獣が上陸してきたら、軍事的にロボではなく強力ミサイル1発なんだろうな。アメリカ人的に。この映画にこんなマジレスが意味ないけど
・ストーリーはほんと単純。オタクへのオマージュならもっと内省的な精神性もまねてほしかった。でも興行収入が重要で主要な観客がアメリカの一般人ならアメリカ人は馬鹿だから、そういうひねりは理解できないかな。ただ最後はキスしなかったのはよかった。馬鹿ちょんハリウッド映画なら絶対してたけど、キスするバージョンも撮影したがしないバージョンにしたらしい。それは正解。
・インディペンディンス・デイ、アルマゲドンとか、どうもアメリカのSFに自爆ネタが多いのはなぜだろう。キリスト教的殉死の尊さからくるのか。なにか気になるな。最近のアメリカ人のウヨ性を反映している気がする。ちょっと怖い。最後、主人公が死ななかったのはよかった。
菊地凛子は地味すぎてボクはしっくりこなかった。日本人女性なら可愛くて、武闘派の人いると思うんだけど。英語が多少下手でも良いと思うけど。芦田愛菜はよかったね。演技うまい。
・宇宙人が操作しているオチはどうなんだろうか。オタク的には一気に冷めるよね。エヴァにしても、大元はどうでもいいんだよね。ただやってくる。ただ暴力的である。これがオタクの要素だから。アメリカ人はそういうのダメなのかな。きちんと悪がいて、地球征服という目的が明確で、そこまでわかりやすく描くのはオタク的ではない。謎は謎のままで置いていくこと。2次創作に残しておくこと
・パート2つくってほしい。トランスフォーマーなんかよりも数倍面白いし、アメリカ人受けはどうなんだろう。受けないと日本人受けだけではきびしいし。でも結局、ここまでくると、パシフィックリムの続編でなくても実写のガンダムでもエヴァでも作れるんだよな。




動画がうまく表示されないなあ・・・つべて直接見て




風立ちぬ」鑑賞


風立ちぬ」鑑賞。宮崎駿もこういうの作るんだなと。どんなヒットメーカーも一度はこういう作品をつくる。自己主張的、内省的、自己満足的、自画像的作品。宮崎駿じゃなけりゃ、ただのB級映画かな。この映画は今までの宮崎駿映画とは大きく違う。子供たちへの夢も、楽しいキャラクターもでてこない。夢の中はたくさん描かれてその中では片鱗はあらわれるが、基本は大人のヒューマンドラマだ。

飛行機乗りを夢みる少年はやがて飛行機の設計技師になる。しかし時代は戦争前。作る飛行機は戦闘機だ。それでも最新の性能を求めて、ひたすら開発に打ち込む。結核で余命短い妻との時間を削って。最後は敗戦後、開発した戦闘機は帰らぬ兵士をたくさん運び、妻もなくなっている。

しかしこれを反戦映画かといえば違う。反戦を訴えるヒューマニズムは強くない。主人公は淡々としている。それでもこれが「敗戦」映画なのは、戦争は一つのメタファーになっている。そしてこの映画は宮崎駿の自伝的メッセージが込められた映画ではないだろうか。

敗戦とは人生への敗戦である。夢見たアニメを懸命に作り続けてきた。次々にヒットを飛ばしてきた。旗からみれば宮崎駿は誰もが憧れる成功者だ。しかし宮崎駿は破れたと考えている。ほんとに伝えたかったこと、表現したかったことがなしえなかった。死んだ妻は仕事ばかりでかまってやれなかった自分の妻への謝罪である。

そしてそれでも生きねば。この映画は一人の人間のはかなさ、誰もが人生の敗者になるさだめであり、それでも生きなければという自戒的なメッセージが込められているように感じた。世に天才や成功者はたくさん生まれてきたが、彼ら自身は最後まで未完成の、中途半端な、失敗した人生だとしか思えないんだと思う。