なぜビットコインは革命を起こすのか

pikarrr2014-07-19

ビットコインの3つの魅力


国家発行通貨がビットコインに取って変わられるという話ではなく、あくまで基本は国家通貨だが、ビットコインはどのように普及するかという話です。ビットコインが通貨の一つとして流通がするのはそんなにハードルは高くない。というか、現にいま通貨として機能して問題はどの程度普及するかが関心です。特にビットコインが注目されているのは、グローバル社会に対応していることです。

ビットコインの魅力の1つは管理者がいない。これは信用の面でデメリットがありますが、メリットしては管理者の思惑で操作されない公平さがあります。現在の実質の国際通貨であるドルですが、アメリカ政策によりさまざまに操作されます。

2は匿名性です。国家通貨は国家管轄の義務のもとに、管理が求められます。大金は銀行などに預けられ、身元がたどられます。ビットコインは匿名性が維持されやすい。これがいまの一番の魅力でしょう。ネット上にはビットコイン市場が開かれて、薬物など違法な商品が取引されています。あるいは取引所に闇資産として預けられています。

3は、ネット上の決算に適している。ネット上でクレジットカードのような業者を介さず、ほぼただで、速やかに個人が直接取引できる。これは先にボクが真のネット革命を起こすといった利点です。




ビットコインの天敵は国家?


ビットコインの安全性に関しては、まさにネット社会と同じで自己責任です。ネットは、実社会のように、国家治安が確保されていませんから、自己責任が求められるのと同じです。ビットコインそのものの安全性は高いですか、マウントゴックス事件のように、管理にまだまだ不十分な面がある。

あとは国家通貨のような市場調整者がいないために、レートは成り行きです。特にいまは注目されていまのうちに押さえて一儲けしようと、投機マネーが流れ込んで高くなっています。ある程度時間がたち、もの珍しさもなくなり実質的な交換が進めばあるところで落ち着くでが、そもそも管理者がいないので変動は成り行きです。

しかし通貨はあくまで金融商品なので、変動があって当たり前。国家通貨は安全という錯覚は、たまたま近年安定した円で生きてきた現代日本人的です。海外では預金でなく、資産投資のリスク分散は当たり前でしょう。だからある金額をビットコインとして保有すればよいだけのことです。

ボクが一番心配なのが、国家との関係です。国家通貨発行は、国の財政を支える重要な儲けです。また経済政策においても、ビットコインで普及すると、アンコントロールなところが増える。すでに中国は使用禁止にしましたが、国家介入がありえる。この辺りはネットの問題と同じです。国境なきネット上のルールを誰が決めるのか。中国のように、国内のネット環境そのものを管理下に置いていると、操作ができますが、普通は管理は難しいでしょ。しかしどこかで何らかの介入が行われて、魅力が失われて破綻する可能性もある。




なぜネットの上の善意に投げ銭するシステムがないのか


最近は、スイカなど電子マネーで、コンビニ、自販機など、ピッ!でお金が払えます。ビットコインはネット上でそれができるということです。ワンクリックで誰にでもお金を払える。これがネットでできるとなにがかわるか。そこにはネット社会の特徴があります。ネットには無料のコンテンツに溢れています。これらはみな個人の善意により提供されている。日頃実社会では貧困にあえぐ人たちも、ネット上では無償の労働により、有用なコンテンツを提供している不思議な世界です。

いまそこから収益をえる方法がアフェリエイトです。グーグルなどのサービスで広告バーナーを自分のサイトにのせて、誰かがアクセスしてくれた分の収入が得られる。しかしサイト作成者に落ちる割合はわすがで、グーグルはただ仲介するだけで膨大な収入を得ています。

ビットコインが普及すれば有用なサイトに対して、直接投げ銭を渡すことができます。でもさ、ホントにためになったコンテンツなら小銭が払っても良くない?一人10円でも、100円でもよい。「よいね!」のかわりに10円。ネットは贈与社会。誰もみんなのために何かをすることで、ネットは成立しています。ネットでわからないことを聞くと、みんなで知恵をだしてくれます。聞く方も嬉しいし、答える方も喜ばれるとうれしい。この助け合いの贈与の世界に、本来は小銭の贈与はあるべきだし、ないことが不思議。なぜないのか。テクニカルな問題が解決されてないから。これをビットコインは一気に解決する可能性があります。

ここで重要なことが、ビットコインの特徴のワンクリックで操作が簡単なこと。投げ銭をするのにへんな手続きがあってまでやらない。あと決算がただなこと。クレジットカードのように決算自体に、投げ銭以上の金がかかったら意味がない。三つ目が匿名であること。投げ銭をするのに、誰であるかを伝えることは互いに気を使います。

投げ銭という善意は匿名だから働きやすい。ネットの匿名は悪意を生むわけだけど、善意も生む。善意をするときにも匿名であることが重要です。相手に自らが誰かわからないから善意をやりやすい。実名だと相手に気を使わせる。実社会でも誰かを助けるのってなんか気を使う。




ビットコインはネット革命の最後のワンビース


一人一人の投げ銭は小さくてもそこそこの金が集まる可能性があります。そうするとなにが起きるか?バイトで生活費を稼ぎ、長い時間をネット上の無数の非賃金労働に従事する貧しい労働者たちが稼げるようになります。これはいまの資本主義を変える可能性があります。

いまの資本主義ではまず高い生産手段を手にいれる必要があります。このハードルのために、多くの人が労働を企業に売らざるをえません。ネットでは相手に伝える通信費が切手も通話料もいらない、ただみたいなものです。たとえばホームページレベルの制作でも、印刷代、制作費など、いりません。あるいはアプリレベルでも安価でできる。これはムーアの法則に支えられたITの安価の法則です。

そして生産手段、流通手段の安価に続いて、ビットコインビットコインで集金手段が企業から解放される。真の意味でIT革命につながります。すなわち、そして別に失敗したところで、初期投資はほぼないんだから、中小企業の倒産みたいな悲惨もありません。

少し前に流行ったロングテール、ネットではニッチなニーズでも人を集めやすいから商売になる、とかも、真にはビットコインにより、ネット上の貨幣の流通が安価に安易にならないとその力を発揮しません。すなわちもう熟成したネット革命の最後のビースがビットコインなわけです。




ビットコインで労働者は再び生産手段を取り戻す


ネット上で個人レベルで貨幣が流通する世界は、労働の概念を覆します。いまはまだ稼ぐための仕事と楽しむ趣味、また稼ぐ実社会と楽しむネットに境界があり、二重生活を生きています。ネット上で趣味で小銭を稼げるようになると、その境界はなくなります。これはいまの実社会の資本主義経済に与える影響も大きいでしょ。

いまの労働者の弱点は、生産手段を失ったことです。かつては農業などで自給自足で誰もが小さな生産手段を持っていたから、金がなくても生きていけました。しかし工業化で分業による社会全体の効率化のもと、人々はみずからの生産手段を手放し、労働をうり金を手に入れ、商品と交換することで生きてきました。

社会の効率化で確かに社会は豊かになり恵まれました。しかし生産手段を持たないので、生きるためには労働をうりお金を手に入れなければならない。全体の主導権は生産手段を独占する企業にあります。労働者はそれに従うしかない。豊かになり、趣味を楽しめるようにはなりましたが、労働の自由度は低い。

ビットコインが普及して、趣味に金を落とされることで、いままでの趣味創作が小さい生産手段に変わります。生産手段を再び取り戻すことになります。これだけで食べていけるわけではないでしょうが、みずから生産手段をもつことは、労働を売る場合にも、企業との交渉を有利にします。すると労働形態も多様化し、人生のあり方も変化します。
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