なぜ宇宙人が来襲しないと国家はなくならないのか

pikarrr2007-08-11

考える名無しさん
国家が存在する以前から市場経済は存在した。国家が崩壊しても市場経済は残る。戦後の闇市。そして市場経済が必要としなければ国家は駆逐される。EUは欧州の国家の枠組みをブレイクスルーした。グローバル経済の進捗と共に従来の国家の枠組みは形骸化しやがて無くなる。国家とは市場の下僕である。

第三の波平
柄谷になりますが、国家は市場経済を前提に生まれています。国際的に市場経済を安定するためです。対立する概念ではないのです。

考える名無しさん
EC・欧州経済共同体が発展し、EU欧州共同体が生まれた。欧州各国の国家は形骸化した。同一ルールの市場経済が発展すれば旧来の国家は関税や国境など経済発展にはり不要なものである。市場経済にとって国家は必要不可欠なものではない。必要とあれば使用するが不要と判断すれば排除していく。

第三の波平
市場経済を平等なイメージで語りすぎる。市場経済は駆け引きの世界です。いかに自らに優位に策略するか。EC共同体は、各国の策略的な思案、わかりやすく言えば、欧州内よりも対アメリカの脅威が大きいことの連帯です。だからEC経済共同体ができても、国家が解体されたわけでもなんでもない。変わらず国家は国際的な市場経済の駆け引きにこそ、必要とされています。

解放された自由競争とは、なんでもありの無法地帯です。そこに市場ルールが守られる保証などどこにもありません。だから国家が必要なのです。国家間の約束において、市場ルールは守られるとともに、国家間の暴力的な駆け引きの上で、それが不平等であろうが、市場ルールは機能する、そこにしか秩序は生まれない。

国家が合法的な暴力装置であるとは、このような意味です。市場主義を推進するアメリカがもっとも合法的な暴力をこうし続けるのは必然なのです。

柄谷が「世界共和国へ」ISBN:4004310016)で言っているのは、世界共和国が徐々にでなく、一気にできるときにだけ、国家の消失した市場経済が成立するのです。ボクはこれは宇宙人が攻めてこない限りこれは無理だと思います。地球人と差異化される宇宙人の登場によって、はじめて、利害が一致した地球人という世界共和国が可能になる。

考える名無しさん
別に経済をクリーンとは思っていないが。人の本質は弱肉強食。それは経済も政治も同じ。政治や宗教・思想も主義者の自らを優位にするための道具じゃないかい。イデオロギーの対立や宗教戦争でどれだけ血を流したことか。

経済がクリーンじゃないということは同意するが、同じように思想・宗教もクリーンではない。

第三の波平
マルクスは商品交換は共同体と共同体の間で生まれたと言いました。ここで強調されているのは、互酬贈与ではなく、等価交換ということです。等価交換とは知らない者の間でないと成立しない。知り合いは、等価交換に見えても、そこに互酬贈与が働くからです。

そして等価交換という知らない者同士だから、国家のような秩序を維持する暴力が必要なのです。国家がなければ、すぐに無法地帯に陥ります。

宗教は知り合いの贈与互酬の世界です。だから国家は必要がない世界宗教を作りえた。政治は共同体内では、贈与互酬=知り合い助けないですが、多くは国家間の駆け引きのためにあります。

考える名無しさん
EU内に限定した話だが。ECができたことにより、欧州の国家同士の戦争の可能性はほぼ永久に駆逐された。経済を共同体とし地域内国家間の労働・資本・社会インフラを共有・相互依存することで域内市場経済の効率は高まる。

一度経済共同体に依存するようになると、その枠組みから孤立することはできない。今、ドイツがフランスに侵略すればドイツ経済は永久に死ぬことになる。核の傘のように、経済の傘が欧州の国家間の戦争を永久に駆逐した。血塗られた欧州の歴史、政治・宗教・武力で止めることのできなかった戦争を経済の枠組みを共有することにより恒久平和をもたらす。

例えるなら、日本の村落共同体、稲作という共同作業を村人全員で協力する。秩序を乱すものは村八分。経済の利害を共有化することが平和と秩序を生み出すということ。

第三の波平
では、ECとアメリカ、ECと日本の戦争の可能性はどうですか?マクドナルドのある国は戦争をしない、という話がありました。

戦争も一つの経済的な駆け引きなのです。だから国家は暴力装置なのです。国家の暴力を作動するとき、武力戦争と経済戦争、どちらが経済的にリスクが低いか。経済戦争の方がリスクが低いから先進国間は戦争をしないのです。

武陽陰士
宇宙人は私のいうところの「鬼子」(環境問題及び核などの安全保障などね)でもいいじゃない?滅亡寸前まで行けば団結するよ。柄谷もそういうことども射程に入れてるでしょ。ただ世界共和国を困難とするあなたのいうところのニュアンスは賛成。

第三の波平
確かに柄谷は世界共和国の成立条件に、環境問題、核などの世界的な危機感を上げていましたね。ボクが宇宙人で言いたかったことも同じことですが、環境問題はやはり虚像的に弱いと思うのですね。地球の温度が上がってなにが問題か。ツバルが沈没する?後進国を搾取し続けてきて、いまさら弱者救済でもないですね。格差が広がるだけでしょう。

やはり強烈に差異化する他者の登場、宇宙人の来襲しかないと、思うのです。

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*1:本内容は2ちゃんねる哲学板「資本とネーションと、時々、国家 2」http://academy6.2ch.net/test/read.cgi/philo/1182943592/からの抜粋です。内容は一部修正しています。

*2:画像元 http://psyco.jp/heliboy/ufo/top.html