環境対策は「やるやる詐欺」国策

pikarrr2009-06-14

新たに提示された温室効果ガス削減目標を15%ということです。基準年が京都議定書の1990年から2005年にかわっていることも話題になっています。1990年比を基準にすれば8%減だそうです。*1

京都議定書での日本の目標は、2008年から2012年までの期間中に1990年比で−6%が目標ですが、実績では2005年度で+6.9%、2007年度+9.0%を上回っており、どんどん上昇中で、もう確実に達成できません。その間、省エネ規制などが行われて、まじめな日本企業は努力して、消費者は高い省エネ商品を買っているにも関わらずです。

さらには、洞爺湖サミットでは、2050年に1990年対比でマイナス50%削減という長期目標もありました。結局、実績値はどこへやら、目標値の駆け引きに終始しています。大きな目標を提示しつつ、先へ先へ延ばしていく。ようするにやるやる詐欺ですね。

でも世界への影響力が低下している日本の生き残りにとってこれが重要なんですね。きっと・・・

このような保守化した環境対策の成果はいまのところ目標にほど遠い。・・・それにも関わらず、環境対策は重要になっている。なぜなら新たな「環境対策市場」を生み出しているからだ。人々の環境意識が高まり、環境対策製品であることが製品の付加価値となっている。

また高い環境目標を達成するためには高い技術投資が必要である。そして高い技術力をもつ企業に政府の補助金が投資される。これによって市場から低級品を淘汰することができ、大手企業に優位になっている。さらにグローバルでみれば、今後、後進国でも環境規制が進めば、日本の環境技術は大きな付加価値となるだろう。すなわち環境対策市場は保護主義的な面を強く持ちつつ広がっている。


「環境対策で「生産消費者」は復活するか」 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20090610#p1

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