なぜみんなは喫煙に寛容だったのか
なぜ人々はたばこに寛容だったのか
pikarrr*1： たばこってほんとに迷惑なものだよね。臭くて有害な煙をところかまわず撒き散らす。驚きなのが最近まで制限がなかったことだ。なぜいままでみんなたばこに寛容だったのか。
kiddoei*2： 多分、個人主義的権力と生ー権力の台頭によるものではないでしょうか。良くも悪くも。
pikarrr： 個人主義的権力とは？
kiddoei： つまり、個人が共同体としての利害よりも個人(自他を含む)の快不快の都合を優先と考え始めた事に起因するものかと。
pikarrr： それでは以前は共同体の利害を優先したようですが？
kiddoei： はい。以前は優先していたと思います。程度の問題ではありますが。
pikarrr： 以前の人々はいまより思いやりがあったとか？
kiddoei： う〜ん、どうでしょうか。分煙やバリアフリーなんかの機能としての思いやりは増加してるとは思いますが。
pikarrr： 以前の人々は生活の大変さからたばこの煙どころではなかったのではないでしょうか。道は舗装されず、空調も不十分で、衛生も不十分で、人々の倫理観も低い。たばこの煙以外に気にすることはたくさんある。
kiddoei： 大変さというのもあったでしょうね。または時代ごとの常識の変遷も要因として挙げられると思います。先ほど呼べた様に共同体としての常識から個人間での常識へ、といったような。
pikarrr： 豊かになり生存が保証され余裕がうまれることで、より高度に安全を求める。より小さな危険に敏感になる。禁煙、セクハラ、騒音などより繊細な規制へ
kiddoei： その流れは間違ってはないと思います。もしくは規模の問題かもしれませんね。セクハラする人や騒音を出す人よりも喫煙者の方が圧倒的に多いからというのもあるでしょうし。
共同体幻想と資本主義生産様式への一元化
pikarrr： 共同体重視は幻想ではないでしょうか。今の方が人々は同じ価値を共有している。
kiddoei： それはちょっと疑問ですね。むしろ価値観は多様化してるのが現代の情勢だと思います。ツイッターを見ててそう思いませんか？
pikarrr： 現代の価値を正確に言うなら多様さより細分化ですね。資本主義価値に一元化されるところの末端での細分化。多様化という意味では資本主義前は、多様な民族の習慣が存在し価値多様でした。それが資本主義化＝国家によってある種暴力的に一元化された。
kiddoei： なるほど。それは納得いきます。確かに民族の習慣といったものはもはやデータベース化されて、一元化された資本主義的価値観によって消費の一形態に収斂されてる感はありますね。
debusaikusaitou*3： 国民国家におけるナショナリズムの発生。グローバリズムは多様化を許さない資本主義左翼(強硬な平等、自由)の世界の平面化革命のような気がします。
pikarrr： ボクは唯物史観論者なので、資本主義生産様式への一元化。国家はグローバル資本主義装置、平等、自由はグローバルな経済活動を活性化するための必然、と考えています。
pikarrr： ボクはネットの中でもツイッターは価値の多様性が低いなと思っていますよ。おそらく流動性が高いので会話を成立させるために似たような価値観を共有化するのでしょう。
pikarrr： 少し前までネットは資本主義を乗り越える新たな社会という勢いでしたが、いまではロングテール、フリーなど経済の話ばかりです。結局、資本主義生産方式のツールでしかなかったことが明らかになりつつあります。
kiddoei： 自分もそうだとは思いますよ。ただ、現代において利便性の追及が主題である以上、流れとしては多分止めようがないと思います。
「帝国」とコミュニティの多様化
pikarrr： すなわち最初に言われた生権力＝新自由主義経済が生み出した「帝国」化ですね。
kiddoei： う〜ん、なるほど。今ふと疑問に思ったのですが、現代において価値の多様性を体現している、それを可能としているのはどういったコミュニティーだと思われますか？
pikarrr： たとえば経済成長のためには創造的破壊＝イノベーションが必要です。創造は決して計画化できないので、多様な価値、活動が必要です。自由主義経済は自由、多様化を活性化します。生権力とはそのための安定した社会環境を作ることです。
kiddoei： なるほど。生権力を内包した「帝国」的であるコミュニティーこそが多様性を創造するフレームだと。
pikarrr： 権力というと主権者のイメージがつきますが、生権力は自由主義経済の自生的秩序からうまれる。当然、国家の協力も必要です。そして市民社会も経済発展を望みます。そこに多様なコミュニティがうまれるのでないでしょうか。
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