古代、中世西洋の歴史本

pikarrr2012-10-05


最近、古代、中世西洋の歴史本を読んでる。おもしろかった本一覧。西洋の古代、中世という広く、複雑な領域で連続的につながりやすいのは、宗教、思想の精神性だろう。

塩野七生が多い。文庫本になって安価だし、解像度が違う。物語として詳細まで描かれている。それと西洋人が書いたものが今ひとつおもしろくない。おそらくキリスト教圏の人はキリスト教の心性を客観視できないのではないだろうか。日本人の書いたものはいつも西洋人の不思議さの視点がある。その点で似ているのが、坂口ふみである。ともに欧州に在住経験があり、たえず西洋人の不思議に接している。二人とも女性であるのはたまたまか。



ギリシア

世界の歴史〈1〉 人類の起原と古代オリエント (中公文庫) 大貫良夫 ISBN:4122051452
世界の歴史〈4〉 オリエント世界の発展 (中公文庫) 小川英雄 ISBN:412205253X
世界宗教史〈2〉 石器時代からエレウシスの密儀まで (ちくま学芸文庫) ミルチアエリアーデ ISBN:4480085629
世界宗教史〈3〉 ゴータマ・ブッダからキリスト教の興隆まで (ちくま学芸文庫) ミルチアエリアーデ ISBN:4480085637
旧約聖書の誕生 (ちくま学芸文庫) 加藤隆 ISBN:4480094113

ギリシアへ続く源泉としてのオリエント文明。すでに完成された豊かな文明だった。
*インド宗教の突出した成熟。抽象性。
キリスト教へ続く砂漠の宗教、ユダヤ教の特殊性。




ギリシア・ローマ時代

ピタゴラス的生き方 (西洋古典叢書) イアンブリコス ISBN:4876981906
国家 (岩波文庫) プラトン ISBN:4003360176
“個”の誕生―キリスト教教理をつくった人びと 坂口ふみ ISBN:4000028979
信の構造―キリスト教の愛の教理とそのゆくえ 坂口ふみ ISBN:4000234455
ミシェル・フーコー講義集成〈11〉主体の解釈学 ミシェル・フーコー ISBN:4480790519
キリスト教の歴史 (講談社学術文庫) 小田垣雅也 ISBN:4061591789
ローマ人の物語38 キリストの勝利 (新潮文庫) 塩野七生 ISBN:4101181888
ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 (新潮文庫) 塩野七生 ISBN:4101181918

ギリシア思想の抽象性という飛躍。ピタゴラス教団のエクスタシー。
ピタゴラス的魂の洗練、ギリシア・ローマ的自制、そしてキリスト教的禁欲が民衆へ
*ヘレニズム文化からキリスト教が生まれる。キリスト教ヒューマニズム
キリスト教の成功。キリストの愛とパウロの贖罪の思想。
ギリシア思想とキリスト教の共鳴による西洋思想(=個の純粋性)の誕生。




●ローマ後中世

世界の歴史〈10〉 西ヨーロッパ世界の形成 (中公文庫) 佐藤彰一 ISBN:4122050987
ローマ亡き後の地中海世界 塩野七生 ISBN:4103096306
イスラームから見た「世界史」 タミム・アンサーリー ISBN:431401086X
世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統 (ちくま文庫) 岡田英弘 ISBN:4480035044
海の都の物語〈4〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) 塩野七生 ISBN:4101181357
ヨーロッパ史における戦争 (中公文庫) マイケル・ハワード ISBN:4122053188

ローマ帝国の他民族化による混沌、崩壊。
ローマ帝国終焉後、急速なイスラム帝国の台頭。
イスラム教対抗としてローマカトリックによる神聖ローマ帝国
*交易を選んだキリスト教圏と略奪(海賊)を選んだイスラム教圏。
ヴェネツィア共和国に対抗する新交易路発見競争から大航海時代
*貿易量の増大と国家権力(物量)の時代へ。