他者からの呼び声→まなざしの快楽→無垢(汚物)への欲望

①個体性、集団性、社会性人間は個体の自律性(個体性)が向上したために、集団性が欠如した動物である。動物のように「完全な」集団行動をすることができない。しかしそれでも他者は特別な存在であり、他者志向性という欲動(他者からの呼び声)によって引き…

東浩紀の「ポストモダンの二重構造」とその限界

東浩紀「渦状言論」 の記事、「解離的近代の二層構造論」http://www.hirokiazuma.com/archives/000194.html、http://www.hirokiazuma.com/archives/000195.htmlについて、書いてみました。 ①二重構造のラディカルさ東の「ポストモダンの二重構造」http://www…

「無垢」はなぜ「汚物」なのか <無垢への欲望 その1>

なぜ「無垢」を求めるのか まずはじめに人は根本的に欠けた存在なので、完全な充足を求めているということです。そのために「無垢」を欲望します。なぜ「無垢」を求めるのかというと、それが処女地(フロンティア)だからです。そこに一番に乗り込む、征服す…

なぜ「セカイ系」なのか。

ハイコンテクストニッポン たとえば、アメリカでエレベータにのりこむとき、先にのっていたアメリカ人が挨拶のようにニコって微笑むのに驚いた。この習慣がどれほど一般的か、わからないが、1週間程度の滞在期間に何度か経験したので、結構一般的なことでは…

なぜ「継続」こそが「正義」なのか? その3

「私の中の二人の他者」 私の中には、二人の「他者」がいる。 「現実界の他者」…生物学的同一種、遺伝子プログラムで共有される「他者」 「象徴界の他者」…言語獲得によりインストールされる「他者」欲望とは「(現実界の)他者」への欲望である。「(現実界…

なぜ「継続」こそが「正義」なのか? その2

自然主義への危険な近接 柄谷の「他者」とは「物そのもの」である。その意味するところは、「反転」を突き抜けたところにある。ボクはそれを斉藤環の「ラカンとベイトソンの相補関係」から、「他者」の地平を以下のように説明した。「それは、ベイトソンのコ…

なぜ「継続」こそが「正義」なのか?

マイケルジャクソンが全面勝訴したらしい。*1マイケルファンのボクとしてはなによりである。有罪といえるまでの証拠が提出されなかったかららしい。「疑わしきは罰せず」それが法である。では「マイケルは本当に犯罪を犯したのか?」ボードリヤールは「湾岸…

心たちはなぜ蜂の巣状化するのか?

マニュアル化された不自由 たとえばどこか世界へ旅行したいと思う。旅行の楽しみは、日常からの離脱である。繰り返される日常から抜け出し、新たな体験をすることによって、刺激を受けて、リフレッシュするというようなことである。そのために行く場所の地図…

なぜ知識人は2ちゃんねるにショックを受けるのか? ised@glocomの倫理研第1回の議事録を読んで

2ちゃんねるショック 情報社会の倫理と設計についての学際的研究、ised@glocomの倫理研第1回の議事録http://ised.glocom.jp/ised/が公開されました。目次は以下のようになっており、内容もなかなかおもしろいものになっています。 講演 鈴木謙介 『情報社会…

神話なき神話の時代 名場面集 その2  

リアリティ/神話/正しさ/メタレベル解説・・・人は信仰(小さなアウラ)というファクター=「神話」を通してしか、コミュニケーションできない。神話は人が属する記号コミュニティ内のリアリティを支えている。 ポストモダンとは、かつての権力がベタ化し…

神話なき神話の時代 名場面集 その1

溢るる余剰/記号コミュニティ/シニフィアン/小さなアウラ解説・・・・人は他者とのコミュニケーションを前提に存在する生き物である。しかし自分の中で起こったことを完全に他者に伝えることはできない。そのために人は伝えられない余剰(溢るる余剰)を…

なぜ「神話なき神話の時代」なのか? 三度

神は死んでも「神話」は生きる ニーチェは「神は死んだ」といった。ボクたちはもはやかつてのような神のいる世界には住んでいない。そして神にかわってボクらの生活を司っているのが科学技術である。ボクらは科学技術による「客観的世界」の住人である。哲学…

ブログはなぜ書かれるのか

ブログは必ず読まれる? ブログを含めたネット上のパーソナルなテクストは、報酬がないにもかかわらず、精力的に製作されている。これを支えているのが、「見られている」ということである。ネットは公開され、だれでもみることできるという技術的な可能性が…

コミュニティの暗黙の強制力

昔、テレビで見たのだが、朝、スクールゾーンに、多くの車が近道として進入してくる。このために父母が進入口にたって、進入車に向かって、通行禁止だと呼びかける。はじめ父母たちは、進入してくる車の運転手に対して、「ここは通行止めだから通れません。…

自然主義的パースペクティブ(草稿) その2

3 生命理性 個体性と集団性の秩序性生命の一次元的方向性は、生きることと増殖することだといった。ここにはある種のバラドクスが存在する。それは、だれにとっての方向性なのかということである。種全体か、集団か、血族か、個体か?これらの視点により個…

自然主義的パースペクティブ(草稿) その1

1 心の進化 意識力意識を集中する、集中力と言う言葉があります。意識とは強弱ではないかと考えています。実際、人は「意識を集中する」ようなことができます。目の前にあるおいている何気ないりんご、これに意識を集中することができます。そうすると、単…