お勉強

なぜ経済は成長するのか

池田信夫 「イノベーションの経済学 講義録」 池田信夫 blog 「イノベーションの経済学 講義録」(http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/5746c9fd629fc249f4ae15ccb37fde0c) すでに多くのブックマークがついていますが、これはかなりおもしろい。もともとが…

フーコー・コレクション〈6〉生政治・統治

以下は「フーコー・コレクション〈6〉生政治・統治」(ISBN:4480089969)より抜粋*1 認識とは戦略関係である 認識がどのようなものかをほんとうに知ろうとしたら、哲学者の十八番であるような生活形態、生存形態、禁欲形態に近づいてもだめなのです。認識がど…

「世界共和国へ」 柄谷行人

柄谷行人「世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて」(ISBN:4004310016)を、史観を主にまとめる。 未開社会 互酬制共同体 原始社会と未開社会は異なる。原始社会は国家の前段階の共同体であるが、未開社会は、国家の周縁部に位置し、文明を拒否する共同…

近代科学を超えて 村上陽一郎

(ASIN:4061587641) はじめに 科学のなかである種の「発展」が起るとき、その「発展」に対して必ずしも「データ」が中心的な役割を果たしていないように思われる事例が多い・・・科学もまた全時間・空間を縦貫し横断して成立するような「離陸」した存在ではな…

「象徴的貧困」というポピュリズムの土壌 ベルナール・スティグレール

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/stiegler.html 1)一九世紀の産業革命を経験した資本主義の二つの大きな帰結 ①「生産における貧困」プロレタリアの登場(プロレタリア化(マルクス))。生産にかかわる知が機械に移行して、もはや自分の「作る知」によ…

文明と自然 伊東俊太郎(2002)

「文明と自然」伊東俊太郎(2002)(ASIN:4887082932) 1 人類革命年代:500万年前 場所:エチオピア、ケニアを中心とする東アフリカで生起 内容:人類史の始まり(類人猿から人類への以降)、人類化(直立歩行、道具、狩猟・採集・漁、集団生活、言語) …

戦闘美少女の精神分析 斎藤環 (2000)

(ISBN:4480422161)第六章 ファリック・ガールが生成する 戦闘美少女はいかにして「生成」したか 漫画・アニメの無時間性 養老猛氏よれば、脳の機能には「視覚系」と「聴覚−運動系」の二つがある。これはリアリティ認識の二つの系として理解できる。視覚系…

限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学 宮台真司・北田暁大(2005)

楽しみにしていた「限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学」宮台真司 北田暁大 ISBN:490246506X、早速読んでみた。大変おもしろい内容になっている。特に後半の「人間でありつづけるとは?」は、宮台、北田の世代論争も含めて、スリルあるやり取りが…

精神分析的主体のオートポイエーシス 大光寺耕平(2001)

「カオスの辺縁」で象徴界は構造化される ボクのラカン理解は必ずしも正当なものではないだろう。ボクなりの思考とラカンとを意図的に「混同」させ語っていることが、たぶんにある。それを強いて言えば、偶有性/単独性、自然/文化、生理/理性、そして現実…

自由を考える 9・11以降の現在思想 東浩紀・大澤真幸(2003)

Ⅰ権力はどこへ向かうのか 第三者の審級の退去 現代社会、第三者の審級が、その超越(論)的な座から、今にも退去しようとしている。世界や人生を全体として意味づけるイデオロギーや理念の喪失。このとき、同時に、第三者の審級の撤退の反するように見えるこ…

インターネットの心理学 The Psychology of the Internet パトリシア・ウォレス (1999) その2

第4章 サイバー空間の集団力学 社会習慣への同調と、自由を制限する法の遵守は、哲学的な見知から見れば、自分たちの存在を維持するための行為である。予測可能で安全な世界で暮らし、平和で公平に他者とやりとりするためには、ある種の自由を現世的な権威…

インターネットの心理学 The Psychology of the Internet パトリシア・ウォレス (1999) その1

第2章 オンライン・ペルソナ 印象形成の心理学 初対面の人と、電話や手紙、直接の対面ではなく、電子メールやウェブサイト、ディスカッション・フォーラムで出会うケースが増加し、オンライン・ペルソナは第一印象で重要な役割を担うようになっている。 ソ…

情報様式論 THE MODE OF INFORMATION マーク・ポスター (1990) その3

第4章 デリダと電子的エクリチュール − コンピュータ−の主体 − コミュニケーションと新しい主体 電子的メッセージ・サービスはユーザーに固定した情報を提供するのではなく、他のユーザーとの接触を提供する。・・・メッセージ・サービスのきわめて新しい点…

情報様式論 THE MODE OF INFORMATION マーク・ポスター (1990) その2

第2章 ボードリヤールとテレビCM メディアと情報様式 話し言葉は個人間の結びつきを固定することによって、共同体の一員としての主体を構成する。印刷物の構成する主体は理性的で自律的なエゴであり、それはたった一人の線的なシンボルを論理的に結合する、…

「おたく」の精神史 一九八〇年代論 大塚英志

第三部 物語消費の時代 受け手は(アニメ)作品の物語の背後に現実と同じ統辞法、秩序から成り立つ「世界」の存在を見てとる。だが送り手の意識は、各エピソード、各場面の中で完結し、つまり表層に描かれたもの以上のものを未だ構築していない。こういう受…

情報様式論 THE MODE OF INFORMATION マーク・ポスター (1990) その1

序章 何も指示しない言葉 情報様式とは、歴史がシンボル交換の構造における諸変異体によって区別されることであり、すべての時代は、意味作用の内的外的な構造、手段、関係を含んだシンボル交換の形態を行使している。 「情報様式の各時代」 対面し、声に媒…

暴走するインターネット 鈴木謙介 (2002)

PART3 COMMUNITY 誕生するコミュニティ 010 インターネットは私たちを幸せにするのか? 「ネタ的コミュニケーション」 ネタ的コミュニケーションとは、コミュニケーションそのもののテンプレートへの言及を重ねて行われる、すべてがネタで…

メディア時代の文化社会学 吉見俊哉 (1994) その2

Ⅰ メディアの変容と電子の文化 6 メディア変容と電子の文化 口承から電子に至るメディアの螺旋状的発展が、一方で文字による線形的なディスクールをまず突出させ、ついで偏在化させ、再び全身的な感覚性の次元に包摂していく過程であったのと同時に、他方で…

メディア時代の文化社会学 吉見俊哉 (1994) その1

Ⅰ メディアの変容と電子の文化 1 マクルーハンと電気の文化 ●ヴォルター・ベンヤミン (1936) 複写技術の拡大により芸術作品のアウラの消失、すなわちしかないという作品の一回性が、複写技術の拡大で失われていく。 ●マーシャル・マクルーハン (1960代) 活…

現代思想の冒険者たち デリダ 高橋哲哉 その2

第二章 形而上学とはなにか 1 テクストとしてのプラトン デリダの脱構築は「プラトン以来」の存在論の歴史の「解体」というハイデガーのモチーフを継ぐものであり、両者の哲学観に大きな影響を与えたニーチェにとって、哲学とは「プラトン主義」形而上学の…

現代思想の冒険者たち デリダ 高橋哲哉 その1

第三章 言語・暴力・反復 2 反復と散種 <プラトン> ●パロール 生の充実 外的・現実的コンテクスト(周囲の状況)、内的・意味的コンテクスト(言語文脈)もすべてオリジナルな状態で現前し、言語の理解の直接的地平として役立っている。 ●エクリチュール …

オートポイエーシス 河本英夫 青土社

有機体の固有性をそれとして明示するためには、以下の条件を満たしていることが必要である。(鄯)物理、化学的に実定される物質的要素とは異質な、特殊な要因を導入してはならない。(鄱)にもかかわらず生命現象と物質現象の差異が機構上明示できなければ…