2007-01-01から1年間の記事一覧

なぜボクたちはマクドナルドへ向かうのか

「マクドナルド化社会」 ボクがいう資本主義システムによる「コンビニエンスな」解決とは、「マクドナルド化する社会」(ISBN:4657994131)に対応するだろう。しかしこれでは、なぜボクたちがマクドナルドへ向かうのか、の説明にはなってのではないだろうか。…

ネットはネオリベラルなグローバリズムを欲望するか

資本主義的な金銭経済とネット上の非金銭経済の対立 ボクは、ネットのラディカルさは、無法地帯にあるのではなく、贈与を中心に経済が形成されて、非資本主義的な力、資本主義的経済に対する「神的暴力」を持つことだといった。ここには、資本主義的な金銭経…

オタクはネットでおばちゃん化するか

第三の波平 オタクってなにか不気味な人々という感じから「動物化」と名付けられて、人々が納得し、そしてオタク自身も安心した。しかしネットの普及の中で明らかになったのは、なんだよ、ただの「おばちゃん」じゃん!ということ。なにも違わない人間くさい…

[議論]ネットは「経済」とはなにかを問う

考える名無しさんA 東スレで戯れるあなたがたは動物だ。東思想を否定するあなたは動物で、「動物園型理想都市」を肯定する。ポストモダン社会のモデル=東スレで戯れられるメリットは、東思想を否認することで得られる。否定はつねにメタだから。これって私…

「経済とは経済学である(でしかない)」

政治(学)、社会(学)、経済(学) 経済とは、「物資の生産・流通・交換・分配とその消費・蓄積の全過程、およびその中で営まれる社会的諸関係の総体。」*1であり、それが経済学とは違うことは当たり前である。しかしここには複雑な問題を絡んでいるのでは…

なぜネットコミュニケーションは難しいのか 知ってほしいネットリテラシー

言いたいことが伝わらない 最近ほんとにネットコミュニケーションの難しさを実感することが多い。とにかく言いたいことが伝わらないし、極端には逆の意味で伝わってしまう。これはもちろんボクの言語能力(国語力の低さは自覚しています)であり、人間関係の…

ネットの「群衆の叡智」の可能性とはなにか その2

質的な出会いとしてのネットの可能性とはなにか ボクたちが求めているのは量ではなく、少ない人数であろうと質のある出会いである。量は質的な出会いの可能性を広げるためでしかない。そしてネットの可能性としての「群衆の叡智」は、資本主義では効率化によ…

ネットの「群衆の叡智」の可能性とはなにか その1

群衆の叡智と単なる群衆心理 ロングテールとともに、昨年のキーワードとなったのが、ニューヨーク在住のコラムニストであるジェームズ・スロウィッキー氏の本のタイトル「The Wisdom of Crowds(群衆の叡智:本の邦訳は、『「みんなの意見」は案外正しい』)…

ランキングという化け物を乗りこなすことができるのだろうか

小さな本屋の密やかなコミュニケーション ボクは本屋が大好きで本屋を見るとつい入りたくなるし、精神的にまいったときなど、大きな本屋にいってブラブラしてると落ちついたりする。小さな本屋は売れ筋のものが店頭の前面を占めていて、どこでも同じように感…

[議論]「経済」はどこにあるのか

考える名無しさん 「ネットは市場主義的「コンビニエンスな解決」以外のものを生み出せるか」 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20070301は、ゲームを批判してるのか、人生を批判してるのか、資本主義を批判してるのか。人生がつまらない理由と、ゲームとは無…

ネットは市場主義的「コンビニエンスな解決」以外のものを生み出せるか

①「モンスターハンター」はなぜおもしろいのか 「モンスターハンターポータブル 2nd」(ASIN:B000GWKY9Y)にはまっている。リアリティあるグラフィックのモンスターと格闘し狩るというこの興奮はなんだろう。モンハンはアクション性が強いゲームであり、RPG…

4年目突入、そしてブログはどこへ向かうのか・・・

いつのまにやら、気がつくとこの「ブログ」も今月で4年目に入りました。よくもまあ3年もと思いますが、またいつのまにやら3年という感じです。というか、そもそもこれは「ブログ」ではないように思います。「ブログ」の特徴は、従来のホームページのよう…

なぜ池田山形論争はおもしろいのか   経済学の彼岸 その4

なぜ山形氏は経済学のマスターたちへ質問状を送ったのか 池田山形論争は終演しつつあるが、その終わり方は実に象徴的である。山形氏が経済学のマスターたちへ質問状を送ったことは異常な行為であるのだろうか。正しすぎる故に異常である。(「クイズ:経済学…

なぜ経済学で「幸福」は語れないのか  経済学の彼岸 その3

「 なぜ池田氏は「普通の経済学」といったのか 」 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20070216のコメント欄からの転用です。(改訂有り) tako 別に経済学は「幸福」議論していないわけではないんだけど。ただ、標準的な大学の学部レベルの経済学では議論しにく…

なぜ池田氏は「普通の経済学」といったのか  経済学の彼岸 その2

「普通の経済学」の「基礎の基礎」 「なぜ経済学的予測は必ず外れるのか」 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20070215にも書いたが、「池田信夫 blog」http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo界隈の「生産性」に関する「物語」はやはり興味深く、その後、展開もある…

なぜ経済学的予測は必ず外れるのか  経済学の彼岸 その1

賃金水準はいかに決まるのかまめに読ませていただいている「池田信夫 blog」http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuoですが、特に最近の生産性に関する議論は経済学素人のボクでもおもしろい。 生産性をめぐる誤解と真の問題 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/c…

なぜ無意識という概念はいまだにラディカルであるのか

ヒトの環境世界は脳機能から生じた写像でしかないわけです。なぜなら、認識可能な環境世界は写像でしかなく、その写像世界とのインタラクションとして行為や知覚も脳機能から生じた写像なのですからとうぜんより強い構造化=脳化へと向かうわけです。われわ…

なぜ創造は可能なのか  超越論的「言語ゲーム」システム

「なぜ「ヴィトゲンシュタインのパラドクス」は心身二元論を要請するの」 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20070202で示した「超越論的「言語ゲーム」システム」を改訂する。 1) 言語ゲーム(学習Ⅱ) 人はゼロ学習、学習Ⅰは不可能であり、コンテクストを読…

なぜこの異常な世界で平穏に生活を営むことができているのか

感動共有の可能性 たとえばコンサートで感動しみんな立ち上がって、手をたたいている。しかしはたしてほんとうに隣の人は感動しているのだろうか。あるいは私と同じ感動をあじわっているのだろうか。コンサートはよくできた感動共有装置である。閉鎖空間、感…

なぜ笑いは武器なのか

「笑い」とは「敵意のないこと」 腹の皮を捩(よじ)る、腹を抱える、笑い崩れる、噴き出す、大笑い、馬鹿(ばか)笑い、高笑い、愛想笑い、作り笑い、せせら笑い、薄ら笑い、鼻で笑う、苦笑い、忍び笑い、含み笑い、不適な笑み、氷の微笑、謎の微笑み、母のよう…

なぜ映画「グエムル」は快楽なのか 

なぜいきなり怪獣映画なのか たとえば狂気とは電車の中での独り言である。電車の中でのケーターは迷惑であるが、狂気ではない。彼は急いでいたのか、気にしないのか、とにかくマナー違反であることを知っていて、あえてやっていることをボクたちは知っている…

なぜ「ヴィトゲンシュタインのパラドクス」は心身二元論を要請するのか

「ヴィトゲンシュタインのパラドクス」という「断絶」 後期ヴィトゲンシュタインでは、「なぜ曖昧な日常会話が成立しているのか」と問われる。ヴィトゲンシュタインは、そこにある集団内で共有化された基底を「言語ゲーム」と呼んだ。「言語ゲーム」は人々に…

なぜ人はポスト・ヒューマンの夢を見るのか

「特異点(Singularity)」 NHK-BS「未来への提言」の発明家レイ・カーツワイル(http://www.nhk-jn.co.jp/002bangumi/topics/2006/052/052.htm)はおもしろかった。情報技術が毎年2倍ずつ成長していることをベースに、2045年には人類全体の知能の10億倍の能…

なぜ「ひとり団地の一室で」孤独死するのか

「ひとり団地の一室で」 NHKスペシャル 「ひとり団地の一室で」 千葉県松戸市にある常盤平団地。3年前、その一室で死後3か月経った男性の遺体が見つかった。男性は当時50歳。病気で職を失ったあと家族と別居し、一人で暮らしていた。いま、全国各地の団…

なぜ資本主義社会は未婚にむかうのか

恋のマジック 「恋愛は錯覚である」というとき、無数の人の中からなぜある一人に「感染」したのかということの理由がどこにも見いだせないことによる。恋をした理由は、「顔がタイプだから」、「スタイルがいいから」、「お金をもっていたから」などなど、語…

なぜ貨幣交換は「政治ゲーム」なのか

ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」とラカンの「象徴界」 ヴィトゲンシュタインがいう「言語ゲーム」(規則に従う)とは、実践的行為(経験命題)の総体である。規則(論理命題)は、「規則に従う」という実践の反復の中で、実際に使える(プラグマティッ…

なぜ「フラット化」は強者の欲望を隠蔽するのか 「フラット化」と欲望 その2

言語ゲームの強さ、象徴界の弱さ 言語ゲームにおける「規則に従う」とは自転車の乗り方を覚えるようなものである。ボクたちは自転車をどのように乗るか説明することはできなくとも、自転車に乗ることができる。このようにボクたちは日常会話を「規則に従う」…

なぜラカンはヴィトゲンシュタインで満足しなかったのか 「フラット化」と欲望 その1

ヴィトゲンシュタインの「他者」 柄谷は「探求Ⅰ」(ASIN:4061590154)の中で、後期ヴィトゲンシュタインの「教える−学ぶ」関係と対比して、多くの思想は「独我論」であるといった。「教える−学ぶ」関係とは外国人、子供などであり、共同体(言語ゲーム)の外部…

なぜ岩崎恭子は「今まで生きてきたなかで一番幸せです」と言ったのか。

「今まで生きてきたなかで一番幸せです」 十四才の岩崎恭子がバルセロナオリンピックの平泳ぎで金メダルを獲得したとき、「今まで生きてきたなかで一番幸せです」と発言したことは有名である。この発言の滑稽さはオリンピックで金メダルとることは確かに人生…

なぜ「生産消費者」は非金銭経済を目指すのか

「プロシューマー(生産消費者)」と非金銭経済 「BS特集 未来への提言スペシャル 未来学者 アルビン・トフラー “知の巨人”との対話」を見ました。トフラーの「富の未来」(ASIN:4062134527)はまだ読んでいないのですが、番組の中で「プロシューマー(生…