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なぜ人は「人」になれないのか

人という「物語」、死という「物語の終わり」 ヘーゲル、ハイデガーの意味での人/動物の対立において、重要なものが、人のみが「死ね」るということです。この意味での人とは「物語」であり、「死」とは「物語の終わり」です。 「物語の終わり」とは、それ…

ブログはなぜ書かれるのか

ブログは必ず読まれる? ブログを含めたネット上のパーソナルなテクストは、報酬がないにもかかわらず、精力的に製作されている。これを支えているのが、「見られている」ということである。ネットは公開され、だれでもみることできるという技術的な可能性が…

環境問題にはなぜリアリティがないのか

デイ・アフター・トゥモロー 映画「デイ・アフター・トゥモロー」*1を見た。世界が凍り付くCGの迫力は圧巻だ。竜巻が荒れ狂い、大津波が押し寄せ、世界が凍っていく。だかそれがすべてだった。後半のヒューマンドラマはB級だし、最後の環境問題への言及に…

ポピュラーミュージックはなぜ愛を歌うのか

芸術の余剰回収 誰かを好きになることは、言葉で言いつくせいない(言語意味に還元されない)。恋愛とは言語意味に還元されない「余剰」が価値を持つ世界である。「こういう理由で好きになった」と、語り尽くされてしまうとそれはもはや恋愛とは呼べない。「…

女子高生のスカートはなぜ短いのか

現代において、女子高生は高校に入るから、「女子高生」になるのではなく、制服のスカートを短くすることによって「女子高生」になる。高校に入るとは社会的なコミュニティへの帰属であるが、制服のスカートを短くするとは、「女子高生」という記号コミュニ…

モーヲタはなぜ人を殺さないのか

「なぜ人を殺してはいけないのか?」というときに、すでに様々な意味が含まれている。「人を殺してはいけない」ということが前提とされていること。さらにこの禁止の倫理観の起源を問うものであり、先天的であるのか、後天的であるのか、先天的ならば変更不…

人はなぜすべてを理解したいのだろう

人はなぜすべてを理解したいのでしょう。それは一つは進化論的に説明されるでしょう。生命がもつ自己増殖する特性は、世界を征服し、繁栄することを指向しているという考えです。たとえば、ニーチェの「力への意志」は、進化論から多大な影響を受けているよ…

エロビデオはなぜワンバターンなのか?

エロビデオはなぜワンバターンなのか?フェラ、クンニ、指まん、挿入、3P…だいたいやることは決まっている。SM系、露出系、獣系?などその他バリエーションはあるのだろうが、一般的に楽しまれているものは、どれもパターン的には似たようなものだろう。…

なぜ電車内で携帯電話を使うといけないのだろう。

なぜ電話内で携帯電話を使うといけないのだろう。斉藤環氏によると、以下のようになる。 ラカンを援用すれば、こんな問題はすぐに解ける。・・・電車内で携帯電話をかける人は、電車内で訳のわからない独りごとを大声で呟いている電波系の人と同じ存在だから…

ヨン様はなぜリアルなのか?

ヨン様ブームらしい。「ヨン様」って・・・ベタベダやがな!というつっこみはよいとして、深田恭子ファンのボクとしては、2002年の史上初!?日韓共同製作ドラマ「フレンズ」が結構おもしろく、その後、ビデオで「秋の童話」をみて、「冬のソナタ」も す…

「書き込みはかならず読まれる」

ネットにおいて、「書き込み続けられる」のは、誰かが読むかもしれないからではなく、 「書き込みはかならず読まれる」故に、 書き込み続けられるのである。 それは「便所の落書き」ではなく、「泉の落書き」なのである。

ジジェクはなぜ映画を語るのか

ジジェクはなぜ映画を語るのか。フロイト、ラカンは神話、小説を、自説を説明する隠喩として効果的に使った。しかしジジェクの映画論はそれとは違うように思う。ジジェクは映画をあたかも「リアル」な体験のように語るのだ。われわれは映画がフィクションで…

コミュニティの暗黙の強制力

昔、テレビで見たのだが、朝、スクールゾーンに、多くの車が近道として進入してくる。このために父母が進入口にたって、進入車に向かって、通行禁止だと呼びかける。はじめ父母たちは、進入してくる車の運転手に対して、「ここは通行止めだから通れません。…

神話なき神話の時代、再び

コンスタティブな言語意味に回収できない(溢るる)余剰とは、たとえば、絵を見て、音楽を聴いてなど、言語で表せないわき上がる感情というような感じでしょうか。結局、それはシニフィアンに回収されるわけですが。たとえば、ペットの「ミミ」へのわき上が…

ギャルウォッチャーは、生理的に欲望するか?無意識的に欲望するか?

夏が近づき、女性が薄着になってきて、うれしい限りです。夏になるとなれてくるが、今ぐらいの薄着への変わり目が、一番女性の露出に目がいくね。毎日の通勤の人混みで気がめいる中でもギャルウォッチ?は一服の清涼剤であるが、果たして、女性への欲望とは…

科学には「意味」がない。

「科学には「意味」がない。」とは、科学の実証主義的側面への指摘である。科学における理念、科学的な命題は、経験的事実に基づいてのみ構成されるべきである、ということである。たとえば、「光の速度は一定速である。」というのは、科学的に実証された事…

O型は楽天的なのさの巻

最近、血液型を題材にしたバラエティ番組がいくつかやっていた。密かにまたブームなのだろうか。人類をたった4つのグループに分けて、分類することの怪しさは否めない。番組には、各血液型のゲストがそれぞれ数人来てコメントするわけだが、O型はO型らし…

神話なき神話の時代

リオタールは大きな物語が凋落したといった。科学、論理の不完全性が様々なところで露呈し、われわれは世界を理解でき、真理に到達できるという信念は失われた。それはわれわれは神により保証された存在であるという裏付けによる自信であり、そこにわれわれ…

フジワラノリカ

どうも最近フジワラノリカが気にかかる。ウィークリーマンション?のCMで、部屋を借りるとフジワラノリカがついてくるというCMがあるが、もはやフジワラノリカは一つの記号と化していることを象徴しているようなCMである。最近、フジワラノリカにかつての元…

大きな神話からお戯れのエクリチュールへ

大きな神話を語ってきたが、なにげに、ひとまず、筋書きが見えたようなので、それを骨子にブログらしく、お戯れのエクリチュールへ移行します。問題はつづくのかと、読んでいる人がいるのかであるが・・・

大きな神話

大きな神話 世界は痕跡である。痕跡とは、誰かの何かの意味である。誰かとは記号コミュニティに帰属する他者であり、限りなく私である。痕跡とは、他者からの呼びかけであり、主体は他者へ心象同期する。 他者への心象同期は、他者との同意と、他者との差異…

痕跡の世界

痕跡の世界 痕跡の世界たとえば夕日に感動するのは、夕日が痕跡であるからです。人は世界を「痕跡」として認識します。痕跡とは意味があることであり、誰かがいるということです。このような痕跡、他者志向性は認識の初動に現れます。痕跡は感動に先立ち、夕…

言語に回収されない溢るる余剰どうしてる?

言語に回収されない溢るる余剰どうしてる? 小学生女子が同級生を殺害したというニュースが日々流れています。殺人事件は毎日のように起こっていますが、加害者、被害者が小学生であり、そこに殺人に至るような明確な要因が見えないという特異性から、社会に…

アウラな世界 その9 正義論5 能動的なデリダと受動的なル

アウラな世界 その9 正義論5 能動的なデリダと受動的なルーマン アウラな場正義論に再びもどると、デリダの脱構築、ルーマンのオートポイエーシス、アウラ論に共通するのは、「正義」というときにコンテクストと主観によって、そこに複雑性の縮減が行われ…

アウラな世界 その8 正義論4 アウラの脱構築

アウラな世界 その8 正義論3 アウラの脱構築 アウラの脱構築クリプキの固有名議論をベンヤミンの芸術作品のアウラに展開すると。たとえば「モナリザ」という固有名は、フレーゲ/ラッセルの記述理論によると、確定記述の束であるとなります。これに対して…

アウラな世界 その7 正義論3 ラカン+デリダ≒アウラ論?

アウラな世界 その7 正義論3 ラカン+デリダ≒アウラ論? アウラ論≒ラカン 「対象aは他人の中に埋め込まれ、私にとって非人間的で疎遠で、鏡に映りそうで映らず、それでいて確実に私の一部で、私が私を人間だと規定するに際して、私が根拠としてそこにしが…

アウラな世界 その6 正義論2 デリダとルーマンの正義論

アウラな世界 その6 正義論2 デリダとルーマンの正義論 わたしたちは偶有的状況から単独性をみいだとそうとしています。そしてこのとき神によって承認されたという形をとります。運命、奇跡、ついてる、祈る、信じるなどのように小さな神が捏造され、対象…

アウラな世界 その5 正義論1 正義という狂気

アウラな世界 その5 正義論1 正義という狂気 恋は盲目たとえば恋することとストーカー行為の違いはなんでしょうか。恋愛とは「偶有性から単独性への転倒」が起こりやすい場です。運命の人、奇跡の出会い、僕の女神・・・恋するということは、無数のごとく…

Winny開発者逮捕と自己責任論

Winny開発者逮捕と自己責任論 タイーホ!キター(゜A゜;) 「現行のデジタルコンテンツのビジネススタイルに疑問を感じていた。警察に著作権法違反を取り締まらせて現体制を維持させているのはおかしい。体制を崩壊させるには、著作権侵害を蔓延(まん…

共同体幻想と2ちゃんねる(ノン-スマートモブズ)

共同体幻想と2ちゃんねる(ノン-スマートモブズ) 共同体幻想現在、実社会生活にとって、2ちゃんねるはまだまだマイナーな現象であるという印象がある。そこにあるのはネットワーク社会とは、実社会生活をドラスティックに変えていくだろうという考えに対…