2009-01-01から1年間の記事一覧

非金銭経の済可能性 ダイジェスト

たとえば社会的な人間関係を大切にする、仕事とは関係がない技術を学習する、あるいは体を鍛える、さらには家族を増やすなども、非金銭経済の生産消費活動力=生活力の生産性を向上させる行為である。富には給料、貯蓄など金銭経済だけではなく、非金銭経済…

環境対策で「生産消費者」は復活するか 非金銭経済の可能性 その6

アメリカのリベラルな環境対策の失敗 オバマが就任直後に、今後アメリカが地球環境対策を牽引するという発言をしたのには笑った。すでに2周も3周も遅れている。ブッシュは産業優先で環境対策には消極的であった。最後にとってつけたようにバイオエタノール…

なぜ梅田望夫は「日本のWebは「残念」」と言ったのか 非金銭経済の可能性 その5

日本のWebは「残念」 最近、ブログ界隈で梅田望夫の「日本のWebは「残念」」発言が話題になっている。ここに先の「リベラル(中道左派)な生産消費者」と「保守化(中道右派)した創造消費者」の差異を見ることができるのではないだろうか。アメリカのネット…

Googleはトフラーの夢を実現するか(改訂) 非金銭経済の可能性 その4

「政治」は経済と社会の分断をつなぐ 創造消費者に見られるのは「経済と社会の分断」である。このように経済と社会の分断を生きることは目新しいものではない。近代化において、自由主義経済が離陸(テイクオフ)することで「社会」が切り離なされた。そして…

Googleはトフラーの夢を実現するか 非金銭経済の可能性 その4

金銭経済と非金銭「社会」の分断 トフラーのビジョンにもどれば、「第三の波」(知識社会)とは、簡単にいえば分散化社会である。「第二の波」では、知識は高価なものであって一部の者に集中した。労働者は分業体制の中で空間的に配置され、時間的に同期され…

なぜ「第三の波」で金銭経済の勢いは増すのか 非金銭経済の可能性 その3 

「資本主義活動」という社会的寄生物 ブローデルは大著「物質文明・経済・資本主義」の15‐18世紀初期資本主義社会の歴史研究の中で資本主義経済を3階立の建物に例えた。 3階 資本主義活動・・・投機、証券、銀行 2階 経済生活・・・「自動調整」市場、市…

なぜ創造消費者は金銭経済と異なる社会に住むのか 非金銭経済の可能性 その2 

「生産消費者(プロシューマ−)の復活」 トフラーは「第一の波」(農耕社会)から「第二の波」(産業社会)において非金銭経済が金銭経済へ取り込まれていくのとは逆に、「第三の波」(知識社会)において生産消費者(プロシューマー)が復活するという。あ…

なぜ金銭経済から逃れられないのか 非金銭経済の可能性 その1

非金銭経済から金銭経済へ アルビン・トフラーは1980年の著書「第三の波」(ISBN:4122009537)の中で消費者が生産に加わることを、消費者(consumer)と生産者(producer)を組み合わせた造語としてプロシューマー、生産消費者(prosumer)と呼んだ。生産消…

「国立メディア芸術総合センター」とアナログマを応援します。

117億円の「巨大な国営マンガ喫茶」が誕生か 2009.5.29 http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090529/trd0905292254011-n1.htm マンガやアニメ、ゲームを収集展示する拠点施設の「国立メディア芸術総合センター」。29日、補正予算が成立したことで、国…

経済・欲望論による現状分析 経済・欲望論 その2

「消費サイド」の非金銭経済化 今回の不況はベタにケインズ的だった。本質はサブプライムローンなどの金融バブルであったが、リーマン破綻というショックが一気に市場への信用を冷え込ませ経済を縮小した。さらに暴露されたのは「情報の非対称性」である。新…

経済・欲望論の系譜  経済・欲望論 その1

マルクス(参考:「資本論」ISBN:4003412516) 物神性、物象化・・・資本主義の商品交換そのものに欲望が働き、そして人間同士の関係が商品の関係に代替される事態が起こっている。剰余価値…資本家の資本は貨幣交換のためではなく、金が金を生む(剰余価値)…

「経済学者って何であんなに偉そうなんですか?」

「経済学者って何であんなに偉そうなんですか?」http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090407あたりについて考えてみた。 1 現代の最大の災害が不況だから この世界不況の原因は誰か。アメリカ証券業界幹部、グリンスパン、日本の低金利政策など言われる…

不干渉社会が過剰な不安を生む日本の病い 

「日本の病気は集団ヒステリー」 日本の病気は、豚インフルエンザではなく、集団ヒステリーである、と。日本は、今後も素晴らしい可能性があるいい国だが、いまは精神的に不安定で弱い、と。国際空港ターミナルで、日本人だけマスクマン。その光景は、国際道…

もっと夢がある日本の将来ビジョンは・・・東アジア経済圏構想

「日本経済の停滞と新生」 この資料がよくまとまっているが、日本経済成長の停滞が一時的なものではなく、経済社会システムの変革を求められている、といわれている。さらにはこの根底にある傾向は日本だけではなく、高度成長を終えた豊かに国に見られる傾向…

なぜケインズは計画経済を導入したのか ケインズの心身二元論 その2

心身二元論の罠 玄人筋の投資家や投機家の・・・たいていの者は、実際には、投資対象のその耐用期間全体にわたる期待収益に関して、すぐれた長期期待を形成することに意を用いるのではなく、たいていの場合は、評価の習慣的基礎の変化を、一般大衆にわずかば…

なぜケインズは不確実性を導入したのか ケインズの心身二元論 その1

生きることは不確実性へ対処すること ケインズのすばらしさは古典派経済学に不確実性を持ち込んだことにある。なぜ不確実性が重要なのか。社会の第一の目的に関係するからだ。自然主義の誤謬を覚悟していえば、生命とは、宇宙の法則である「エントロピーの増…

ネット上の革命はすでにはじまっている?

ネット上に新たな経済活動は起こらなかった ネットが一般に普及して10年以上たったが、かつて「グローバルビレッジ」に代表されるような期待された「革命」は起こらなかったようだ。この理由の一番は、ネット上に新たな経済活動が起こらなかったためではな…

経済成長はコンベンション(慣習)の代謝による

「企業家」が開墾し「投資家」が選択する 経済成長を促すのは、「イノベーションへのインセンティブ」である。この言葉が意味するのは、ケインズのいう流動性選考(過剰貯蓄すること)の裏面、不確実性選考(過剰投資すること)である。リスクを考えると技術…

なぜ日本経済は低成長化するのか

「日本の真のグローバリズムはこれからなんじゃないかな」 http://d.hatena.ne.jp/pikarrr/20090511#p1について 金持ち名無しさん、貧乏名無しさん 古代なら人口減少は経済衰退を意味しただろう。中世までは人口減少は需要の減少を意味し、それは供給の減少…

日本の真のグローバリズムはこれからなんじゃないかな

飽和社会と国家(税金)依存社会 この世界不況で国家の重要性がますます増している。首相が次々とかわるのも、過剰な期待の裏返しだろう。これはおもしろい現象である。資本−ネーション−国家という三項を考えたとき、資本(市場経済)の調子がいいときには、…

なぜ正社員雇用の流動化には慎重であるべきか

「社畜」でなければ社会的成員でない 長期雇用を求めたのは経営者だった。第一次大戦後の好況で賃金が高騰したため、鐘紡の武藤山治は「家族主義」をとなえ、医療や年金などのfringe benefitを創設した。そのねらいは熟練工を企業内に囲いこんで自由を奪い、…

ボクの文章にケアレスミスが多い理由(わけ)

確かに“読めてしまう”コピペに2ch住人が「人間すげー」と驚く http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0905/08/news021.html 「なんだこりゃ」と思ってよく“読んで”みると「へー」と驚くコピペ文章が最近2ちゃんねるに登場し、スレッド(スレ)の本題そっち…

忌野清志郎は天使である

ヴィム・ヴェンダース監督「ベルリン・天使の詩」(ASIN:B000EGDDLI)では、元天使役としてピーター・フォークが自身の役ででてくる。ピーター・フォークが元天使であるというのは、コロンボのイメージもあり、なっとくできる。日本人が元天使として出演する…

「コメント」「ほら、これ気持ちよいだろ?」「LotusFlow3r」PRINCE

Lotusflow3r/Mplsound/Elixirアーティスト: Prince出版社/メーカー: NPG発売日: 2009/04/06メディア: CD購入: 6人 クリック: 22回この商品を含むブログ (29件) を見るPRINCEの新譜「LotusFlow3r」(ASIN:B001TI3IB0)を購入。3枚組で¥2,400。本拠地ミ…

「世界不況は誰の責任か」 NHKスペシャル「マネー資本主義」 

ミクロコンテクストな番組「マネー資本主義」 NHKスペシャル「マネー資本主義 第1回 “暴走”はなぜ止められなかったのか 〜アメリカ投資銀行の興亡〜 マネー資本主義」(http://www.nhk.or.jp/special/onair/090419.html)をおもしろく見ました。 金融危機は…

日本人は萎縮する経済を生きるのかふたたび熱狂する経済を求めるのか

“最後の石器人” NHKスペシャル「ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる」 http://www.nhk.or.jp/special/onair/090412.html アマゾンの最深部に1万年以上、独自の文化・風習を守り続けている部族がいる。欧米人に“最後の石器人”と呼ばれているヤノマミ族だ…

経済とはいかに不確実性を生きのびるか 贈与交換から投資交換へ

1)未開社会では不確実性は神との贈与交換によって回避する たとえば贈与関係は神を中心に組織される。呪術的な供養は、神を自分たちの贈与関係に引き入れて仲間とするためにある。そして神からの贈与(自然の恵み)を分配する形で、助け合い(贈与関係)は…

なぜトレードオフは楽観主義なのか 経済的思考と政治的思考

トレードオフというレトリック トレードオフを否定する人々 池田信夫 blog http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/d9c725f16b6e76a74300fb5576c0d0ed 経済学は複数の目的のトレードオフの中から何を選択するかを考える学問だが、世の中にはそういう相対化を否…

なぜ追加経済対策の贈与税減税は「オレオレ詐欺的即効性政策」なのか?

金持ち名無しさん、貧乏名無しさん 家計にプラス? 追加経済対策のポイント http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090410-00000651-san-bus_all 《環境》 省エネ家電の普及促進では、省エネ性能を星印で示す「多段階評価制度」で4つ星以上 の冷蔵庫やエアコ…

経済はマクロなコンテクストからミクロへのコンテクストの転倒によって動く

ケインズの欲望経済 ケインズは自由主義に対する保護政策ということで、保守的なイメージがあるが、機械論的な自由主義経済学に、「欲望」を導入した。自由主義では、供給(生産)サイドが順調に運営されれば、需要(消費)サイドがそれに合わせて育つという…